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悪役令嬢もライバルもいない乙女ゲーに転生したけど幸せになれません  作者: さしうせすいそ


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3/11

ずっと大好きな魔法の手

ここは、知らない空間だ。

お花畑?こんな場所見た事……いや、ある。

ゲーム内でキャラの好感度が見られる場所。

泡沫の黒百合畑。

実際来るとこんな感じなのか。てかまだゲーム本編始まる気がしないんだけどなんで?

ゲーム本編が始まるのはおそらく7年後。それまで生きていたらの話だが。

それまでここには誰も現れないはず…


「なのにどうして」


そんなことを呟きながら私は湖を目指す

湖は自分のステータスが見れる。

そしてその湖の近くにいればいるほど攻略対象のステータスが高い。

最近はこれを見なくても好感度がわかるようになったけど。

長い長い道を歩く。こんなに普通に歩いたのはいつぶりだっけ。息苦しさを感じない。嬉しい。

そう感じながら楽しく散歩しているとついに湖に着く。


「誰か……いる」


湖の近くには一人の女性がいた紅い髪に黒い瞳……リーユだ。


「リーユ」

「いいえ、リーユはあなた」

「違う、私は」

「大丈夫。あなたは私よ」

「むりだよ。なれない。私は主人公じゃない」

「あなたは主人公よ」

「そんな」

「私本を読むのが好きなの。だから大丈夫よ」

「いや言ってる意味が分かりませんが」

「ふふ、とにかく大丈夫。私はあなたを恨んでないし、貴方は幸せになっていい」


トンッとリーユが私の背中を押す。

私はそのまま湖に落ちていく。

落ちる中リーユが何かを呟いた気がした。


「っは、」


目が覚めればまた知らない……見るのは二回目だ。知らない天井ではない……か。


「!リーユ!起きたのか!」


そばにいたのはトリ様だった。酷い隈だ。

ずっと起きていたのだろうか。


「リウス様?」

「よかった……よかった!すぐに父様を呼んでくる」


元気よく駆け出していく。

よかった。今度は悲しい顔させずに済んだ。

それより、さっきトリ様が手に抱きついていたからか痺れている。

少し、いや結構嫉妬する。みっともないと思う。

でもこれほど愛されているリーユが心底羨ましい。

あの想いは、私のモノではない。

そういえばリーユはあの時何を言おうとしたのだろうか


「リーユ!」

「国王様、女王様」


また、抱きつかれる。暖かい。申し訳ない。

私なんかに時間を使わせてしまって


「すぐに医者を呼びましょう」

「医者……ですか」


少し緊張してしまう。トリ様が真っ先にお二人を呼んだのも同じ理由であろう。

さすがにこの状況で医者を信じろは無理がある。

いやいい人なのだろうきっと。それでも医者と追いかけっこした後なのだ。多少の恐怖はある。


「大丈夫。とても信頼できる者だ。」


王様がそっと頭を撫でる。

子供を安心させる父の手、いいな、全部羨ましい。

この愛を受けられるリーユが。

しばらくすれば医者がきた。

医者は一通り私を見て診察する。

元々お医者さんの手は好きなのだ。

患者に対する愛を感じる手。とても暖かくて心地よい。

そういえばあの医者もどきにはそれがなかったな。その時に気づくべきだった。


「リーユ様もしかして左手が動かしにくくないですか?」

「はい。寝起きだから痺れているのかと」

「いいえ。これは肩から伸びている神経が傷ついております。練習すれば生活に支障はなくなりますが……少し痺れは残るかと」


また女王様様が泣き始める。

ああ、悲しませてしまうなんてなあ。


「リハビリで治るのであれば大丈夫です」

「ではリハビリのメニューをお渡ししますね」


少し話しただけでわかるこの人はすごく信用できるお方だ。


「では今回の診察はこちらで終わりです。王様と女王様にのみお話が」

「わかった。リーユは部屋に戻ってなさい」

「かしこまりました王様」


診察室から出ればトリ様がいた。今にも涙がこぼれそうな顔をしている


「大丈夫か!?」

「手に多少の痺れは残るそうですが、

リウス様の命に比べれば安いものです」


突然トリ様が抱きついてくる


「トッ……!?リ、リウス様何を」

「ごめん。守ってあげられなくて、ごめんな。大丈夫これからは兄様が全部お前のことは守るから」


もしかして、トリ様の過保護ムーブってここから始まったのか?

元々ゲームでもトリ様はリーユに対して過保護だった。

攻略キャラとのイベントを終えて寮に帰れば毎度リーユを隅から隅まで見てリーユにウザがられていたのだ。

ある意味ではお邪魔役とも言えるのだろう。生徒会に入れば過保護はもっと加速して攻略難易度も上がる。

が、トリ様との会話が増えるので私はずっと入っていた!


「リウス様……とりあえずお部屋に帰りましょう」

「そうだなリーユ。おいで」

「あの、さすがにこれは!」

「ダメだ」


紳士のように私の……リーユの手を引くトリ様は本当に美しかった。


「リーユ座れるか」

「私は病人ではありません」

「でも2日間寝てた」

「う……いや、でもここまで歩いてきたので」

「僕に力があれば抱っこしてきたかった」

「やめてください」


心臓が持たないので。今が幼少期でほんとに良かった。

トリ様の愛を擬似的にでも感じられるのは本当に嬉しい。

でも同時に申し訳なさが、ある。


「リウス様」

「どうしたリーユ」

「私は、本が好きでしたか?」

「!思い出したのか!?」

「いいえ、なんとなくそんな気がして……本を読みたいのですが、図書室」

「では僕が本を持ってくる!リーユはここで待っていてくれ」


髪にそっとキスをして走り出す。いや、色んな本を見たいから自分で行きたいのだが……まあいい、リーユの言っていた意味の分からない発言がこれでわかるといいが。


____________________



「傷口から微量に闇の魔力を感じます」

「なにか影響は」

「今のところ感じません。ですが腕だけではないかもしれません。」


大人が三人診察室で話している。


「どこか悪くなるかもしれないのですか?」

「心臓です。免疫力も下がるかもしれませんが1番は心臓です。特に幼少期には負担がかかる。私も最善を尽くします。なのでご協力いただければと」

「もちろん。貴殿を見つけられてよかった」

「ところで記憶の方は?」

「そちらはなんとも。異常がないのです。闇の魔力の影響か、はたまた別の要因かは分かりませんが思い出した幸運くらいに思っていた方がいいかもしれません」


暗い室内に重い空気が流れていく。

お世話になっております。

今回もありがとうございました。

トリトリウスの過保護ムーブもっと書きたいねえ。トリ様あまりにも可愛い。リーユロクが彼を兄様と呼べる日は来るかな?来ないと闇落ちするぞ。トリ様は

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