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過去の遺産









「笹野内愛を生徒会に加入させることになっている」


「なぜ笹野内さんがでてくるんですか」


「お前がサッカー部に入らなければ笹野内愛を生徒会にいれるのは無しにする」


「それでも構いませんよ」


「退学させると言ってもか」

 

「脅しですか?」

 

「解釈はお前に任せる」


「彼女が俺の弱みになると思っているんですね」


「弱みでなくても気になる存在ではあるだろう」

 全て知っているようだな。


「笹野内愛はお前にとっても大切なんだ」


「まるであなたにとっても大切な存在かのような言い方ですね」


「どうだろうな」

 急に語られた生徒会長の笹野内さんに対しての言及。

 一見すれば俺を探っているように感じるが、これは生徒会長が俺を通して笹野内さんの目的を測っている気がする。

 笹野内さんとの会話からも、目の前にいる天上帝から語られることからも、この二人はなにかしらの因縁がある。

 学校に入ったばかりの頃、いや入る前からかもしれない。

 彼女の退学になったお姉さんが関係している確率も・・・・・・。

 

「お前の意思はわかった。生徒会には入る、ただサッカー部に入ることは同意ができないということだな。まぁいい。どちらの結果にしろ、お前の生徒会いりを歓迎しよう本咲強助」

 手を前に出す生徒会長。


「焦りすぎではないですか。まだ取り引きは終わっていません。俺が入るとは決まっていませんよ。俺の取り引きを受け入れてもらえない場合、取り引きは中止になります。そうなれば俺は生徒会には入りません」

 

「なにがあろうとお前はすでに生徒会入りすることが決まっている」

 最低限の口の動きで告げてくる。

 まるで未来が見えているようだな。


「なぜこちら側が笹野内愛と白姫波音羽を退学させることができるのに、そのことを強く脅しに使わないかわかるか?」


「二人があなたのお気に入りだからとか」


「退学はさせず噂をそのままにあの二人を放置する。すると、どうなると思う? 噂は流され続けるままだ。それに耐えられるとは考えられない。いまも来れていない学校に来れるとは思えない。なによりそんな状態をお前は耐えられるのか?」

 二人が退学しようが、しまいがいまのままでは待ち受ける結果が同じだと言いたいのか。


「根比べということですね。俺が折れて生徒会もサッカー部いりもするから、噂を無くしてくれと懇願こんがんするのを待つということですね」

 生徒会長は俺が降伏することを予測している。

 つまりいまじゃなくてもいずれ俺が生徒会に入るということを確信しているんだ。

 根比べとなれば弱い立場の方が先に折れるのは必然てきだからな。

 それが二人の退学を強く脅しに使ってこない理由か。

 腑には落ちる、でもなぜサッカー部いりを強行しないのか気になる。


「俺がサッカー部に入ることも確信しているのですか?」


「理解が早くて助かる。は随分と前からしていたからな」


「優華を生徒会に勧誘していたことですね」

 あれは優華ではなく俺へのメッセージだったのか。

 俺を誘うための餌だったのか。


「黒妃優華はお前にサッカーをもう一度やってほしいみたいだ。黒妃優華が生徒会に入ることで、お前も生徒会に入る。黒妃優華を上手く使うことで、お前はサッカー部に入る。それがこちらの狙いだ」


「狙いをペチャクチャと話していいんですか」


「ダメ押しだ。お前がにげられられないようにするためのな」

 鎖で何重にも俺に絡んで縛ろうとしている。

 既に生徒会長の心の中は俺が生徒会に所属するという認識で満たされている。


「そうですか、なるほど。なら・・・・・・」


「待て天上さん。こいつはなぜ生徒会に入る気になったんだ」


「春兎」

 副会長が割り込んでくる。


「こいつが生徒会に入ることはあんたが決めたことだし異議はねぇが、こいつがなぜ生徒会に入ることを決心したのかは聞いておきてぇぜ」

 

「生徒会のみなさんが脅してきたからじゃないですか副会長さん」


「殺すぞ」

 後ろから乗り越え俺の座っているソファーに腰かけた副会長。


「本気で言ってますよ」


「だったらわざわざ取り引きの案を訂正して、新しい取り引きなんて持ってこないだろ」

 勘繰かんぐっているみたいだな。

 副生徒会長というだけあって、ただの喧嘩っ早い力自慢ではなく会話を聞いて思考しているみたいだ。


「サッカー部、生徒会、両方に入るのは気が引けたので、生徒会を選択しました」


「サッカー部に入るのが随分と嫌みてぇだな」


「はい昼休みにも言った通りです。サッカーは上手じょうずではないですから。先輩達の足を引っ張るだけですし、先輩方のためにも俺は入るべきではないと思いますよ」

 ここまでいえば引いてくれるのだろうか。


「へへッ、そうか。先に言っておくがな俺も別にお前は欲しくない。天上さんがお気に入りだと言うからなにも言わなかったが、ここまでやる気がないなら話は別だ。天上さん俺がいれば十分ですよこいつはいりません」


「そんなことはない。必要な人材だ」


「なぜそう言いきれるんです」

 仲間割れをしているのか?


「少なくともお前よりは素質があるな」

 素質?

 生徒会長はなにを言っているんだ。


「チッ・・・・・・こいつの才能に期待しても無駄だぜ。所詮は過去の遺産。宝の持ち腐れ。こいつはあんたが求めているような逸材じゃない。ましてや天才かどうかも怪しい」

 

「天才やら逸材やら、随分と自分を高める名称が愛しいんですね」


「てめぇなめてんのか」

 強烈に睨まれ、手を振りかぶられる。


「待て春兎。本咲強助には一回聞かせるべきだ。この学校における天才と逸材についてな」














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