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連絡先の交換





 女の子に目の前で自分の携帯をいじられている。


「メッセージ、アプリっと・・・・・・うん、あった。あとは追加」

 白姫さん自身の携帯を取り出して両手で器用にお互いの連絡先を入れている。


「これで完了。それにしても本咲友達が少ない」

 キミほどたくさんいる人がいないのではないかな。

 

「仲良い人が全くいないからこんなもんだよ。だって俺は孤高だから」

 手を伸ばし携帯を取ろうとしたら白姫さんに手を引っ込められる。


「あれ返してもらえない感じ?」


「そんなことはないよ。ただ気になって」

 アプリ内で連絡先登録をしている人の一覧を見ている白姫さん。

 プライバシーがなにもないな。


「本咲ファミリーとあとは黒妃さんファミリー?」


「優華の家族とは知り合いだから」


「あとは・・・・・・佐奈川芽衣さなかわめい。めいっちと交換してるんだ!」


「優華の友達でさ、小学校も同じだったから」

 

「ふむふむ、クラスのムードメーカーと交換してたんだ〜」

 ニヤニヤしながら見てくる。

 幼馴染の一人といっても過言じゃないんだおかしなことではないだろう。


鈴島篤鬼すずしまあつき


「数少ない男友達」


「ふ〜んあんまり鈴島くんのこと知らないけど、確かサッカー部だった? どこで接点があったの?」

 単純な疑問のような雰囲気で聞かれる。


「・・・・・・昔習い事が一緒で」


「へぇ〜、どんな習い事してたの」

 軽く聞かれるがあまり軽いものではない。


「ピアノ」


「本咲音楽やってたんだ。すごい、今度聞かせてよ!!」


「機会があれば」

 妹や優華が習っていて、付き添いで数回行ったが断念したものだ。

 習い事に含めていいのか怪しいが、嘘はついていないよな。


「あとは黒妃さん。幼馴染だもんな〜〜」

 声のトーンが少し落ちる白姫さん。

 優華に対してなにか思うことでもあるのだろうか。


「他には、愛さん!? 笹野内さんも交換してるんだ」


「さっき交換しただけだよ」


「なるほど一緒にいるもん。おかしなことじゃないか」

 少し動揺を見せる白姫さん。


「愛さんって呼んでいたけど笹野内さんとは親しいの?」


「あぁ・・・・・・その、友達かと言われたら友達だけど、いつも一緒にいるっていうわけでもないよ〜」

 親しい人にもいろいろある。

 それは白姫さんも例外ではなかったか。


「小さいときに・・・・・・」

 白姫さんがなにかを言おうとしたとき人影が動いた。


「私も交換したいんだけど!!!」

 後ろを振り向くと勢いよく向かってくる駒下さんがいた。


「雅?」


「波音羽いま本咲くんと連絡先交換してたでしょ」

 

「えっ、まぁ、したよ」


「全部扉越しに聞こえてたんだからね!!」

 顔を膨らませ腕を体の横につけながら白姫さんと俺を交互に見てくる。


「秘密のやりとりって感じ。私抜きで」


「それはね〜〜二人きりになるために部屋の外出てもらったんだし」

 全部筒抜けだったならわざわざ移動してもらったことが意味のないことになる。

 

「波音羽もそうだけど、、、本咲くん!」


「はい!」

 強く迫られ大きな声がでてしまう。


「波音羽を泣かせたの?」


「泣かせていないよ」


「でも波音羽泣いてた」


「話の流れでさ・・・・・・聞こえてなかった?」


「聞こえてた。本咲くんが泣かせてないことはわかってる。一応確認したかっただけごめんね」

 聞こえてたんかい。

 親友が泣いていたから確認したかったんだな。

 友達思いの良い子だ。

 それにすぐ謝る姿は可愛くてドキッとした。


「怒りの誤解は解けた?」


「もともと怒ってないよ!! 私も本咲くんと連絡先交換したかっただけ」


「駒下さんが俺と?」


「ずっと交換できてなかったし、私も交換したらいけない?」

 不安そうにそんな見つめないでくれよ。

 そういう目をされるのは弱いんだ。


「それはいいけど」


「やった!!」


「逆にいいの?」


「うん!! すごく嬉しいよ!!」

 駒下さんが喜んでいる中、怒りの表情を浮かべる白姫さん。


「なんで私は嫌で雅はいいわけ〜?」


「それは、あの、駒下さんとは行動を共にしているわけで、連絡先を持つ必要はあるかなと思ったから」


「二人はそういう関係なんですか〜〜〜?」

 不機嫌になる白姫さん。

 その様子を見てなだめる駒下さん。


「本咲くんとはただのパートナーだよ波音羽。恋人じゃないから気にしないで」


「パートナー?」

 白姫さんに軽く睨まれる。


「そそ。波音羽と黒妃ちゃんを救うパートナー」

 ヒーローのようにエッヘンと腰に手をあて、ポーズをとる駒下さん。


「本咲?」


「パートナーってほら、コンビみたいな?」


「コンビじゃなくてパートナー!!」


「本咲〜〜!!」

 白姫さんなんでそんなに怒っているんだ、駒下さんと仲良い雰囲気になっているからか。

 なら、駒下さんにはもう少し控えてもらいたいな。

 そのあとも駒下さんがパートナーを強調し続け、白姫さんに問いただされた。

 やりとりに疲れたが、駒下さんと白姫さんが親友らしい会話をしていて、なんだか微笑ましかった。

 亀裂が入ってしまったら取り返しがつかないから、そうならなくてよかった。


「二人ともバイバイ」


「うんさようなら」


「お先に失礼します」

 波音羽と二人で話したいから残るといった駒下さんをおいて、笹野内さんと先に帰ることになった。

 腕を伸ばしてストレッチをする。

 

「お疲れですね」


「なれないことはしない方がいいかも」


「どのようなことが慣れていませんでしたか?」


「外に出ること、多くの人と行動すること、自分以外の家に行くこと、一日に多くの人と会話をすること、夜遅くまで外出すること・・・・・・」


「たくさんありますね」


「それくらい俺は人と関わっていなかったから、それこそが俺の良さだしな」

 辺り一体が真っ暗で街灯の光が照らしつけ夜風が二人を通り過ぎていく。

 

「フフフ。本咲くん、明日デートをしましょうか」









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