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第九十九話 このために育たない

 Sさんが一人暮らしを始めてしばらくしてからの話。

 アパートでは無く一軒家を借りた。会社勤めをしながら家では家庭菜園をして日々を過ごしていたという。


「前に住んでいた人が畑をやっていて、割とそのまま残していってくれたので」


 キュウリ、枝豆などを育てていた。

 土壌としては敷地の中でそれほど優劣がなかったはずなのだが、Sさんには一つ不可解なことがあった。

 ある一角だけ、育てていた作物がすぐに枯れるのである。

 スイカを失敗したのは難しかったからだろうとSさんは思った。

 しかしその後キュウリを育てようとしてもすぐに枯れた。支柱も準備したがそれが必要になるまで伸びずに枯れたのだ。

 すぐ隣のキュウリはまともに育った。


「ここにだけ、土壌の性質が変わる物でも埋まってるのかな」


 酸性、アルカリ性、細かいことはよくわからなかったがSさんは何か埋まっていないか、問題の箇所の土を掘ってみた。

 鉄パイプでも出てくるのではないかと思った。

 しばらく掘ってみると、何かが出てきた。

 写真である。それも、男女が写っている写真。

 恋人同士という感じではない。言うなればそれは、アイドルか誰かの撮影会でツーショットで写った写真と考えられるものだった。

 写真の下の方にマジックで「T史さん」と書かれている。

 ということは写っている男性の方がT史という人物なのだろうか。

 そして、なぜアイドルらしき女性との写真が庭の畑に埋められているのか。

 それはわからないが、埋めるに至った経緯とこれが作物を枯らしていたことを考えるとSさんは少し薄ら寒さを感じた。

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