表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/100

第九十四話 旅行先で

 Nさんは恋人と地方へ旅行に来ていた。

 早めにホテルにチェックインし、その日の夕食ののちに翌日からどこへ行くかを話し合う。

 ベッドで横たわりながら旅行雑誌を眺める恋人。Nさんは椅子に腰掛けていた。

 コン、コン。

 部屋のドアがノックされた。


「あれ、ホテルの人?」


「なんだろ、何も頼んでないけど」


 Nさんはのぞき穴から外を見るが、誰もいない。


「誰もいなかったよ。間違いかな」


 しかし5分ほど経って、再度ドアがノックされる。

 コン、コン。


「何なんだ?」


 Nさんがまたものぞき穴を見るも、またも誰もいないようだ。


「ちょっと見てくるよ」


 恋人に話しかけ、Nさんはそのままドアを開けて部屋を出た。


「え、ちょっと」


 部屋の方で恋人が何か言っているが、構わずに廊下を進んでいく。エレベータの前や自販機の前を通り過ぎ、フロアの端まで行ったが誰もいない。

 仕方なく部屋に戻ることにするNさんだったが、部屋の前に意外な人が立っていた。

 恋人である。


「どうした? なんで部屋から出てるの?」


 Nさんは尋ねるが、恋人は怒ったような口調で言う。


「見てなかったの?」


「え、どういうこと? 何が?」


 わけがわからなくなるNさん。


「あんたがドアを開けて出て行くときに、入れ替わりで変な、黒い女みたいなのが部屋に入ってきたんだよ」


 恋人はそれに驚いて急いで部屋を出たが、Nさんがスタスタと廊下を進んでいくため、追いかけたらはぐれると考えて部屋の前で待っていたという。


「結局、彼女を部屋の前で待たせて僕が部屋の中を改めましたが、黒い女というのはいませんでした」


 しかし恋人はどうしても同じ部屋で一夜を過ごすことを嫌がったため、フロントに頼んで部屋を変更してもらったという。

 その際にフロントに黒い女の話もしたが、予約していない人を部屋に招くのはやめてほしいと注意されただけで、全く話にならなかったそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ