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第六十七話 和室と飛んだボール
お盆休みでMさんが実家に帰省すると、弟が妻と息子のOくんを連れて同じく帰ってきていた。
MさんはOくんの遊び相手になってあげることが多い。
この日も和室でスポンジ製のボールと柔らかいバットを使って、室内でバッティング練習をして遊んでいた。
Mさんがボールを投げて、Oくんがバットを振り抜く。
天井付近に飛んだボールが、飾ってあった遺影に当たった。幸いなことに落ちはしなかったものの、少し揺れた。
注意しようとMさんがOくんの方を向くと、背後に首のない胴体だけの霊の姿があった。
「うわっ!」
驚いて目をそらし、もう一度Oくんの方へ向き直ったがすでに後ろには何もいなかった。
怪訝そうな顔をするOくんに、Mさんは何を見たかを説明できなかった。
「あの霊らしきものの服装だけは覚えているんですが……どうも僕が小学生の頃に亡くなった曾祖父が着ていたチョッキのように思います」
ちなみにその曾祖父の遺影は、やはり和室に飾られていたという。




