表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/100

第六十四話 洞窟の中で

 人間の時間感覚を試すという名目で、Nさんの友達の動画配信者が洞窟に入った。

 時計も持たず、明かりも入らない洞窟の中だ。自分の感覚だけで1日を過ごすことになる。

 そして出てきたときに本当に1日経っているか、実際との誤差を検証することで人間の感覚をテストするのだ。

 動画配信用に撮影も続ける。


「じゃあ、入ってくるよ。もし2日目になっても戻ってこなかったら探しに来てよ」


「ああ、任せとけ」


 配信者はNさんに頼み、食料と手元の明かりを持って洞窟内へ入っていった。

 入ってから1日が経とうかという時間に、Nさんが再び洞窟まで来て周囲を確認したが、配信者はまだ出てきていないようだった。

 2日が経っても結局、配信者は洞窟から出てこなかった。

 Nさんは洞窟内へ入り、配信者の遺体を発見した。

 嘆き悲しんだNさんだったが、あることを思いだした。


「そうだ、あいつ動画を撮影していたよな」


 遺体の傍らに定点撮影しているビデオカメラがあった。

 撮影自体は止まっており、配信者が自分でカメラを止めたものと思われた。

 Nさんは最初から映像を見ていく。洞窟の暗闇の中で手持ち無沙汰になっている配信者の姿が見える。

 寝たり起きたり、ブツブツと呟いたりしている。

 もうすぐ洞窟に入ってから1日経とうかという時間。目標としてはこの辺りで外に出てきてほしかった。


「えっ?」


 1日が過ぎた直後。

 Nさんがおもむろに立ち上がり、カメラの方に向かって歩いてくる。

 そして動画撮影のスイッチを切った。

 以降のことはわからない。


「なんであいつ、1日経ったタイミングで動画撮影を終えられたのかがわからないんです」


 方法はわからないが、配信者は撮影を終えて洞窟を出ようとしたのかもしれない。

 それがなぜ遺体となって発見されることになったのか、真相は永久に洞窟の闇の中に葬られてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ