第五十九話 嫌ないたずら
Mさんは都内に一軒家を持っている男性だ。
ローンを組んでようやく持ったマイホーム。妻と子どもと共に楽しく暮らしているはずだったが、彼を悩ませる出来事があった。嫌ないたずらを受けているのだ。
本人によると家には小さい庭もあるそうなのだが、そこにゴミが投げ入れられるのだという。
しかも虫やカエルの死体が複数体一気に置かれているという、何かしらの悪意を感じるものであった。
頭を潰されたヘビの死体がプランターの上に捨てられていたときに、Mさんは監視カメラの購入を決めた。
1階の通りに面した窓の下に監視カメラを仕掛け、誰が狼藉を働いているのかをそれでとらえることを期待した。
数日後、朝起きてオタマジャクシの死骸が玄関先に置かれていたのを確認し、Mさんは監視カメラの映像を見た。
彼は目を疑った。
夜間、玄関には何もない状態だったが、映像の下の方から液体のような黒いものがせり上がってくるのである。
その黒い液体は1分ほど画面全体を覆い尽くしてから徐々に再び下の方に戻っていき、消えた。
なんと、それが消えたら玄関先にはオタマジャクシが残されていたのである。
Mさんは家のローンが残っているが家族共々実家に戻り、会社にはそこから通っている。
「しばらくその家に帰れていないので、今は何が玄関や庭に投げ込まれているのかわかりません」
家を売りに出すことを検討中だそうだ。




