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第四十七話 耳元の声

 家のパソコンで作業をする際に、音楽や動画を流しっぱなしにするというMさん。

 この日はブログ記事を書いており、ちょうどいい文章が思いついたので一気に書こうとしていたときのことだったという。

 バックで流しているのは動画だったが、サブモニターを持たないので映像自体を観ることはできない。

 もっぱら音声だけが耳に入ってきていたが、それが記事を書く集中力を生み出してくれるのだった。


「このときは映像投稿系のホラー番組を流していました。こういう形式のが好きで」


 落ち着く効果でもあるのか、快調にキーボードを叩いていたMさん。部屋にはカタカタという音だけが響いていた。

 しかし突然異物が混じった。


「おい」


 野太い男の声がした。

 Mさんは驚いて執筆の手が止まる。

 声は耳元で聞こえたようにも感じられた。

 一軒家に住んでいるMさんだが、彼の他は別の部屋で寝ている妻がいるだけで男はいない。

 周りをキョロキョロと見渡すが、誰の姿もない。

 そこでようやくMさんは思い当たった。


「そうか、怖い動画を流してたから、その声か」


 一人でそう呟いて、ブログ記事を書いていたブラウザを非表示にした。


「うわっ!」


 再生中の動画が、幽霊の顔を大映しにした状態で停止していた。

 目を大きく見開き、物陰からカメラの方を凝視している髪の長い女である。

 なんという強烈なシーンで止まっているのかとMさんは文句を言いたい気持ちになった。

 しかしMさんにはまだ気になることがある。

 あの男の声は、動画から聞こえたものだったのだろうか?

 Mさんは動画を少し前から再生し始めた。

 しかし、男が「おい」と言っているシーンがどこにもない。

 とうとう最初から最後まで動画を観てしまったが、そんなシーンはどこにも見つからなかったのである。

 未だにあれが何の声だったのかわからないそうだ。

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