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第四十二話 事故現場の花

 Dさんが通勤に使っている道で、ある晩交通事故があった。

 車がガードレールにぶつかって大破し、運転していた若い男性が即死。同乗者も大怪我を負った。

 Dさんの帰宅時間ではなかったため彼自身には何事もなかったが、事故の翌日以降、現場に花束が手向けられているのを見るたびに胸が痛い思いをしていた。


「ご家族なのかはわかりませんが、1年経っても現場の歩道に定期的に花が添えられていました」


 痛ましい事件を風化させまいということだろうとDさんは解釈していた。

 ところがあるとき、意外な形でこの現場が人々の耳目を集めることとなる。

 男性の霊が道沿いに出現するという噂が立ったのだ。

 ちょうど花束の置かれている付近に、下を向いた男性の姿が現れ、スッと消えるというもの。

 事故の記憶もまだ周辺地域の人に残っている時分。霊の出所がはっきりしているためにネットの地元の掲示板にも詳細に書かれていた。


「僕も帰宅途中に、白いもやのようなものが立っているように見えました」


 多少霊感があると自称するDさんも、不思議なものを見たらしい。

 心霊スポットとして全国区になる日も遠くないのでは、と思っていたDさんだったが、状況に変化が生じた。

 くだんの道が車線を増やすことになり、道路工事が始まったのだ。

 そうなると花束が供えられていた歩道も大幅に移動することとなる。

 霊が出るという噂はそれからも流れ続けてはいたが、工事が完了すると花束は置かれなくなった。

 そしてもう一つ変化があった。

 これまで歩道の方に現れていた霊だが、今度から車線の真上に現れるようになったのである。

 位置的には前と同じなのだが、周囲が変わってしまったのだった。

 Dさんも一度、運転中に目の前に白いもやが生じて事故を起こしかけたという。


「これからは余計に事故が起きるような気がします」


 複雑な表情でDさんは語った。

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