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第三十二話 写真の真ん中
Jさんは体験談の代わりに写真を見せてくれた。
いわゆる心霊写真だという。
舞台は学校の一室。各クラスから委員達が集まって記念撮影したものだろうとJさんは言う。
この写真で集まっていたのは図書委員だそうだ。Jさんはこの中にはいない。
勝手なイメージで語って申し訳ないが、真面目そうな男女の生徒が10人ほど、3列になって写っている。
「ほら、ここだよ」
Jさんが写真へ指を指す。中段、真ん中の少し右に写っている女の子だ。
両隣の子どもが歯を覗かせた笑顔なのに対して、その女の子はどこか物憂げな表情を浮かべながらカメラを見つめている。
Jさんが指を滑らせる。
何を指しているのかわかった。
女の子の胸に重なるように、何かが写り込んでいる。
釘である。
しかも頭部に比べて銅の部分が非常に長い。
五寸釘だった。
これの先端がちょうど女の子の胸に刺さるような形で写っていた。
「この子、小学校を卒業する前に病気で亡くなってしまったんだ」
Jさんは言った。
誰が何を行ったのかは、定かではない。




