第十四話 インターホン
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Gさんの家は最近よくインターホンが鳴らされるのだという。
インターホンが鳴ると備え付けのカメラが来訪者を撮影し、それが家の中で観られるようになっている。不在の場合は映像が記録されている。
ある夜にGさんが帰宅すると、日中に来訪者があったらしいことがわかった。
Gさんは早速残された映像を確認する。
家の前にいたのは、女性2人組であった。
「1人はおばさん、もう1人は服装的に若い感じの女性でした」
2人の関係性は不明で、親子かもしれないし、同じ職場なのかもしれないとGさんは思った。
おばさんの方がインターホンの前に立ち、何か話しかけてくる。
「それが、よろしくお願いします、とか言ってるんですよ。こちらとしても会ったこともない人ですし、よろしくも何もないんですが」
会ったことがない人物であるにもかかわらず、向こうはGさんの名前を呼びかけてから話し始める点も不信感があった。おそらく表札を見ているのだとは思うが。
しばらくして夜にGさんが帰宅すると、また誰か来ていたようだった。
インターホンのカメラを確認すると、おそらく同じ女性2人組だった。
おそらく、というのは、若い方の女性はちょうどカメラに顔が映らない位置までしか近づいておらず、顔の確認ができなかったためである。
この日もおばさんの方が意味不明なことを言って帰っていった。
数日後、今度はGさんが家にいるときにインターホンが鳴った。
カメラを確認すると、例の2人組だ。相変わらずおばさんが前におり、若い女性は後ろの方で顔が見えない位置にいる。
いい加減に来るのをやめてほしいと思っていたGさんは、意を決して会うことにした。
返事をしてドアを開ける。
そこにいたのはおばさんだけであった。
「あれ、もう1人いらっしゃったように思ったのですが」
「えっ? いえ、私一人で参りましたのよ」
おばさんは少し首をかしげたが、本来の目的であろう話を始めた。
聞いたことのない宗教の勧誘で、Gさんは冷ためにあしらっておばさんに帰ってもらった。
しかしカメラに映っていたのにその場にいなかった若い女性のことが気になった。
そこでカメラの映像を確認する。応対のためにGさんがドアを開けたところもしっかりと記録されていた。
Gさんがドアを開けるとおばさんが嬉しそうな顔をしたのだが、その後ろの若い女性がドアの方へ近づいてくるのが映っていた。
そしてGさんは背筋が震えた。
若い女の顔の部分には、真っ黒な空間が広がっていた。
ちょうどその部分だけ穴が開いているようだった。
Gさんは映像を見続ける。
若い女はおばさんの背後に歩いて近づいてくる。そして肩からのぞき込むようにその真っ黒な穴の顔をGさんに向けてきていた。
そして話が終わりGさんがドアを閉めると、女はおばさんの背中に入っていったようにその姿を消した。
「結局、その日以降おばさんがインターホンを鳴らすことはなくなりました」
おばさんはその女に取り憑かれているのではないか……とGさんは言った。




