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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十四章 幸せの表現法 ~自分のためは、世界のためで~
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第277話 依代

「ここに霊道れいどうってやつが……?」


 岬季に連れられてやってきたのは、佳果が在学している高校の裏山うらやまだ。校舎や町並みを眺望できる高さまで登ってきた三名は現在、風化したほこらと思われる瓦礫がれきに近づいている。


「ああ。元々は、この辺りの管轄かんかつである山の神が鎮座ちんざしていた場所のようだが……今やすっかりすたれちまってるねぇ。おかげで無法地帯さ、ご覧よ? まさに魑魅ちみもうりょうのオンパレードじゃないか」


「ひ、ひぇぇ……!」


 瓦礫の奥に何かがいるらしく、それをた零子が顔面蒼白(そうはく)で岬季の背中に隠れる。いっぽう霊感のない佳果はいくら凝視ぎょうししても認知できないものの、嫌な感じだけはひしひしと伝わっていた。


(……まだ晩秋ばんしゅうでもねぇってのに、真冬レベルの寒さを感じるな。やばい場所っつーのは、こんな薄気味悪い冷気が流れてやがんのか)


「うう……ちなみに師匠、山の神様は今どちらへ……?」


「さて、もはや気配けはいも残っていないし、正確なところはわからないよ。ただこの惨状から察するに……おそらくは狂気きょうきおちいって、なかばのがれるようにふもとまで下りたんだろう。ま、神様ってのは宿るものがなけりゃ3次元を移動できないから、その場合はどこか近くに新たな依代よりしろを見つけたことになるけどね」


(依代……こっから一番近いのはガッコで、あそこにゃ昔、父さんと母さん……そしてあいつ(・・・)がいた。……まさかな)


 眼鏡の光る七三しちさん分けのスーツ姿と、くだんのおまもりを想起する佳果。あれは母が渡したものと本人は言っていたが――神妙な表情で沈黙を続ける彼を横目に、岬季はふうとため息をついて言った。


「……いずれにせよ、こんな状態の土地が身近にあったにもかかわらず、先日あたしが発見するまで霊能者仲間からの報告がゼロだったってのは妙だ。もしかすると、例の暗黒神が関与して隠蔽いんぺいされていたのかもしれない」


「あり得るな。ちょうど奴とその配下が一線を退いたばかりのタイミングだしよ」

お読みいただきありがとうございます。

ようやく家族の病状も落ち着いてきましたので、

明日から元々書いていた程度の文量に戻していきます。


※もし続きを読んでみようかなと思いましたら

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