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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十四章 幸せの表現法 ~自分のためは、世界のためで~
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第276話 遅かれ早かれ

「土地祈祷……? ちんさいみてぇなもんか?」


 横で聞いていた佳果が岬季みさきに尋ねる。彼女は首を横に振った。


「いや、最終的にその土地の神様へ祈る意味では同じかもしれないけど、根本こんぽんのニュアンスが違うよ。地鎮祭は"土地を使わせていただきありがとうございます、以後お世話になります"っていう、あたしら人間側からの感謝と挨拶を兼ねた礼儀作法だ。対して土地祈祷は、そういうのを無視して何百年もほったらかしにされてきた場所を始めとする、霊的な荒廃こうはいが進んだ地の供養くようって意味合いが強い。"私どもの不手際でこうなってしまい、申し訳ありませんでした"と頭を下げるわけさ」


「……なるほど、あやまるのは一緒でも、動機やタイミングが異なるんだな。しかし、なんで放置すると荒廃しちまうんだ?」


「身勝手に占拠せんきょされた土地ってのは、そこで過ごす人間たちの想念と、神仏しんぶつや浮遊霊の放つ波動とがぶつかり合って"気"の流れに折り合いがつかなくなる。すると霊道れいどう――つまり負のエネルギーが常に流れ続ける空間が出来上できあがって、周辺で不幸が頻発ひんぱつするようになるカラクリだねぇ」


 岬季によると、そうした場所は古戦場であったり、過去なんらかの天災に巻き込まれたことのある可能性が高いそうだ。今回、土地祈祷をおこなう予定の場所も例に漏れぬらしい。


「でも師匠、どうして急にあたしを駆り出したんですか?」


「あんた昌弥まさやと話してたろ? エリア(9)へ移動するために、自分を活かせる方法を探してるって」


「あ、確かに話した気が……聞かれてたんですね」


「弟子の悩み事くらい把握しとかなきゃ師匠失格だからね。で、あんた達の場合……おそらくこの件を介して得られる経験がとりわけ重要になってくるはずだ。合流してもらった狙いもそこにある」


「お、俺もか?」


「もちろん。坊やは直近で、零気を使った活動を始めたと聞いている。……なら、遅かれ早かれ通ることになる道さ」


(……?)


 意味深な発言に疑問符を浮かべる佳果だったが、彼女の真意はその後、現場にて明らかとなるのであった。

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