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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十四章 幸せの表現法 ~自分のためは、世界のためで~
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第275話 大きな仕事

「おー、よく来たねえ」


 現実世界の東京都――雨知あまち道場へ訪れた零子を、師匠である岬季みさきが出迎えている。彼女はお邪魔しますと言って秋服のライトアウターを脱ぎながら自宅のほうへ上がり、囲炉裏いろりのある和室へ通された。すると見慣れた先客が片手を挙げる。


「よ、零子さん」


「佳果さん! わあ、本当に師匠の家にいる……世間ってせまいんですねぇ」


 ウーの復活に際し、彼と岬季の間に繋がりがあったことは既に聞き及んでいたわけだが、こうして実際に顔が並ぶと言葉にできぬ感慨深さがある。"不思議な縁だ"と思ういっぽうで、これもまた必然なのかもしれないと零子は微笑びしょうした。


「さ、お座りよ。……しかしあんた、呼んだ次の日に飛んでくるなんてやけにフットワークが軽いじゃないか。説明したとおり、今回はたぶんながちょうになるよ? ペットとかは大丈夫なのかい」


「はい! 実家に預けて来ましたので、しばらくは問題ありません」


「へえ、零子さんなんかってんのか」


 なんとなく犬か猫だろうなと直感した佳果だったが、実際のところその両方が家族なのだとか。見せてきたスマホに、仲良くたわむれる彼女らが映っている。


「それにあたし達、近々北海道まで行く予定がありましたから。中間地点として泊まらせていただける意味でも、招いてくださって本当にありがたいです!」


 「ねっ」と佳果にアイコンタクトを送る零子を見て、岬季は茶をすすった。


「ずず……なんだ、そういうことだったのか。でも"あたし達"ってのはちょっと聞き捨てならないねぇ。……これ坊や、なーに人様のまな弟子でしひっかけて北国なんぞ行こうとしてんだい?」


「は、はあ!? ちげーよ、ばっちゃ――」


「(ギロリ)」


「ああいや……岬季さん。その、俺らさ。大切な仲間の墓参りに付き合うことになっててよ。それで北海道に……もちろん他のやつも一緒だぜ!?」


「ふーん。どうだか」


「ッ……! つか、そもそも零子さんには昌弥まさやさんがいるだろうが! 俺だってゆう……」


「ゆう?」


「……なんでもねえっ!」


 すっかりペースを乱されている彼を見て、零子もニヤニヤと楽しそうに茶をすする。さておき、そろそろ本題に入らねば。


「こほん。で、師匠。昨日おっしゃっていた大きな仕事というのは?」


「……なんとなく察しているとは思うが、これからとある場所の土地祈祷(きとう)をおこなうよ。その際、わんさか出てくる未成仏霊たちや()――彼らの浄霊じょうれいを、あんたにも手伝ってもらおうと思ってね」

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