表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十四章 幸せの表現法 ~自分のためは、世界のためで~
277/356

第269話 すごい人の子

「こ、こんにちは。わたしヴェリスといいます。敬語はあまり得意じゃないから……なにか失礼なことを言っちゃったらごめんなさい」


 つどった者たちに対し、挨拶あいさつとともにお辞儀じぎするヴェリス。そんな彼女へ質問しようと、さっそく大勢の人が挙手し始めた。するとたちだいの横についているソティラがライトの魔法を使って若い男性を当て、付近でスタンバっていたおじさんが機敏きびんな動きでマイクを渡しに行った。


「はい、ではそこのあなたから!」


「ありがとうございます。えっと、ヴェリスさんは人間ってことですが……なら、夢に出てきてお告げをくれたあのかたとは、まったくの別人なのでしょうか? にしては瓜二うりふたつだった気も……」


「あ、いいえ。それは間違いなくわたしです」


「? ではあなたは、人間でありながら我々の夢に現れたと……?」


 再び会場がざわつく。常識的に考えて、まずあり得ない話なのだから仕方がない。おじさんが「みんな静粛になぁ!」と叫ぶなか、ソティラが小声で確認してきた。


(ヴェリスさん、答えられそう? もし難しければ、わたしが適当に――)


(ん、だいじょぶ)


 ぐっと小さくガッツポーズを取ったヴェリスは、いつわりなき返答をおこなった。


「お兄さんは、"世界の光"って知ってますか?」


「光? いや、ちょっとわからないかもです……」


「そっか。あのね、この空のずっとずーっと上のほうに、わたしたち人間が毎日(かん)じてる"楽しい"とか、"嬉しい"とか、"ありがとう"って気持ちがたくさん集まった、大きな光のかたまりがあるの。それを世界の光と呼びます」


「は、はぁ」


「で、人間の魂と世界の光は気脈きみゃくっていう見えない糸で繋がってて……寝ているとき、つまり無意識のときに、その糸をつたってエネルギーをもらったり、心を修復したりしているのです。あなたもわたしも、他のみなさんも」


「…………」


 少女から繰り出される、にわかには信じがたい言葉の数々に沈黙する会場。


「そこで今回、わたしは糸にメッセージを流すことで、みなさんの夢におじゃましたのでした。……んー、これで回答になってるのかな……?」


「…………」


 なおも沈黙が続いたが、それはおじさんのオーバーリアクションによって唐突にやぶられた。


「す、すげぇぇえええ!!」


「なあ、お前そんな仕組みがあるの知ってたか!?」


「いやいや知るわけねーって! てかあの子、どうやってその気脈ってのに干渉したんだ……?」


「ふむう、わしらが寝るだけで回復できとる理由に、そのような秘密が……」


「ね、聞いた!? 世界の光だって! あたいなんだかゾクゾクしてきちゃったよ!」


「フヒッ――このオカルト好きで有名な小生しょうせいもそそられる内容でしたぞ……!」 


 様々な属性の声が聞こえてくる。おおいいに沸く人々を見つめながら、ソティラは真剣な顔でヴェリスを見上げた。


(こりゃ驚いた。只者ただものじゃないのは知ってたけど……彼女、いろんな意味で次元の違う育ち方をしたみたいね)

お読みいただき、ありがとうございます!

もし続きを読んでみようかなと思いましたら

ブックマーク、または下の★マークを1つでも

押していただけますとたいへん励みになります!


ちなみに先日ひいた風邪ですが、昨日平熱まで下がりました。

今は残った扁桃腺の痛みと咳、鼻詰まりと格闘中です。

なお不幸なことに家族にも感染(うつ)ってしまったので

看病等のためしばらく少なめの文字数が続きそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ