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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十四章 幸せの表現法 ~自分のためは、世界のためで~
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第266話 利害の一致

「――と、以降は今日のような具合で活動してゆくかたちになりますが。何か質問はありますか」


「……そりゃ、あるに決まってるだろ」


 帰りの車内。高速道路を走りながら平然と質疑応答を始める明虎あきとらに、佳果が呆れ顔で流し目を送っている。考えてみれば、まだ釈然しゃくぜんとしない部分も多い。彼は現段階でいだいている疑問点を解消しておくことにした。


「まずあんた、どうして任意団体なんかやってんだ? 名前は確か……『タブノキ』だったっけか」


「ふむ、そう言われましても……所詮しょせんはボランティアですからねぇ。慈善活動の動機など、特段(とくだん)聞くまでもないでしょう」


「するってーとあれかよ。やっぱ"世のため人のため"的な……」


「まあ、そこはご想像におまかせします」


「…………」


 仮に相違そういなかった場合、「らしいな」と「らしくねぇ」の同居するこの気持ちは一体なんなのだろうか。佳果はふうと息を吐いて、次の質問を投げかけた。


「んじゃ、なんで俺をつかおうと思った? そもそも、ウーの転生を手伝って俺に零気を取り戻させた理由はなんだ? ……こちとらまだ高校生だし、あんたやゾグみたく色々と技術や知識を持っているわけでもねぇ。今回の件だって、あんたほどの奴なら別に一人でも不足はなかったはずだろ」


「……クク」


「あん?」


「とりあえず、今は先行投資(・・・・)とでも思っていただければ」


(……最初に会ったときと同じ、"知りたい"の延長線上ってか)


 不敵に笑うこの男の本懐――それが夕鈴とチャロの笑う世界であることは、既に佳果も承知しているところである。そしてその完遂かんすいには、陽だまりの風によるアスターソウル攻略が必須条件となるわけだが。


(……ま、どんな思惑おもわくがあるにせよ、そこがブレねぇなら無理に詮索せんさくする必要もないか。俺自身、零気を通してエリア移動しようっつう魂胆こんたんがあるわけで……せっかく渡りに船の状況なんだしよ)


 そう自分を納得させると、佳果は最後に尋ねる。


「しっかしあの紹介サイト、なんか古臭ふるくさい感じだったよな。あんまそういうの詳しくねーけど……あれで、普段どのくらい依頼が来るんだ?」


「はて、依頼を受けたのは今日が初めてですが」


「……は?」


「タブノキは昨日立ち上げたばかりの組織です。サイトがつたないのは、急ごしらえでまだ最低限の環境しか構築できていないからですよ」


「……いやいやちょっと待て! ならさっきの……矢一を救ったのは、昨日の今日で取り付けた約束だったってのか!?」


「ええ」


「"ええ"って……一体どうやって!」


「あるすじから情報提供がありましてねぇ」


「?」


「あなたとも縁のある所です。……とう使ぐみと言えばおわかりでしょう」

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