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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十三章 献身の美醜 ~それぞれにできること~
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第257話 これからのこと

「ウー、改めて転生おめでとう!」


 笑顔のヴェリスが、丸い粒子状の彼をぼふぼふと両手でんでいる。


「えへへ、ありがとうヴェーちゃん! 新生しんせい吾輩わがはい、これからもっと活躍しちゃうから応援してね!」


(んん、本当に元のウーそのまんまだなぁ。見た目や性格が変わった様子はないし、記憶の齟齬そごもないわけか。……あれ? とすると、何をって新生ってことになるんだろ?)


 横で素朴そぼくな疑問を浮かべるシムル。

 その心の声は当然、ウーやチャロに筒抜つつぬけだった。


「よくぞいてくれたねシーちゃん」


「えっ(あ、そうか聞こえるんだったっけ)」


「ふふ、ウーさんの"見えざる変化"を知るためには、神気纏繞(てんじょう)が必要ですね。ヴェリスさんの場合は、超感覚制御のレベルを少し調節すればわかるのではないでしょうか」


「「見えざる……?」」


 二人は言われるがまま、それぞれ瞳をテラリウムと宇宙に変えた。するとウーの魂が可視化され、そこに親しみ深いエネルギーが混じっていることに気づく。シムルは俄然がぜんピンときた。


「! もしかして……」


「そう! ヨッちゃんのグナを通じて、太陽神様のご神気をさずかったんだ。つまり吾輩の主様ぬしさまは今や、黒龍様と合わせて二柱にちゅうになったわけさ♪ 精霊としてはホント、身にあまる光栄だよ!」


 えっへんと誇らしげなウー。察するに、そういう部分においても創造神が言っていた『初の事例』に当たるのかもしれない。「やったね!」と一緒になって喜ぶヴェリスと彼のなごやかな雰囲気にかれて、アーリアが近づいてきた。


「まあ、なんとかわいらしい! シムルくんは加わらなくてよろしいんですの?」


「!? い、いやいや、さすがにそれは……」


「あらあら、何を遠慮えんりょする必要がありましょうか。さあっ、みんなでウーちゃんをでるのです!」


「わわっ、ちょっと姉ちゃん!(まさかってる!?)」


 アーリアはシムルを巻き込みつつ、ウーとヴェリスに抱きついた。にわかに微笑ほほえましい空間が生まれ、その気の抜ける光景をさかなに、佳果と楓也、ガウラの三人が話し込んでいる。――こちらはもちろん全員ノンアルコールだ。


「……ウー殿が戻った今、これで心置きなく先へ進めるのう」


「ああ。普及ふきゅう計画が落ち着いたら、そろそろ本腰を入れてエリアⅨを目指さねぇとな」


「愛をやわらかく……か。二人はもう何をするか決めたの?」


「うむ、わしは魔境のほうで昌弥殿やトレチェイス殿の活動を手伝おうと思っておるぞ。それと同時進行で己を鍛え上げるつもりでもいるが……佳果はどうじゃ?」


「俺は零気をガチで学ぼうと考えてる。とう使ぐみの件もそうだったが……世界にゃ、訳もわからずに"黒"で苦しんでいるやつがいるだろ? 零気ってのは魔神レベルの相手に通用するわけじゃねぇみてーだが、まずはそっから人の役に立ってみようかなって」


「わ、二人ともさすがだね!」


「かか、だろ? んでお前は?」


「ぼくはやっぱり役者志望だからさ。とりあえず近日中にアスターソウル内の一番大きい劇場で舞台をやる予定だよ。息抜きがてら、ぜひみんなでに来てほしいな!」


「ぬお、いつのまにそのような! ヌハハ、楽しみじゃわい!」


「ああっ! なんだか面白そうな話してますね! あたしも混ぜてください~!」


 それまで食べるのに夢中だった零子が、食器を片手に乱入してくる。

 ――にぎやかな夜は、まだまだ続きそうだ。

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