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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十二章 愛の因果律 ~掴みかけた夢~
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第201話 古代魔法

里長さとおさ殿。実は折りって、お頼み申したいことがあるんじゃ」


「ほう。それがしが力になれそうな話であれば、是非にでも」


「かたじけない」


 相変わらずの即断と快諾かいだくっぷりに、感謝を述べるガウラ。彼は前座ぜんざとして、まず古代魔法の知識と適性てきせいを得たむねを明かすことにした。ただし書庫の存在はウーやフルーカによって口止くちどめされているため、あえてせておく。


の魔法は四次元以下のあらゆる現象を幾何学きかがく的に解析し、魔法陣に変換したものを術者の意図に沿ってき換え、本来とはことなる効果を発揮はっきさせるもの。たとえば、壁抜けの効果しか持たぬ魔法に、空間歪曲(わいきょく)を付加する。こうして編み出されたワームホールが、きょうめつけっというわけじゃな」


「! これは驚いた……まさかこの短期間で原理をおさめられていようとは」


「ヌハハ、色々とがたい導きがあってのう! そして術者となるには、"根源の陣"を自らの目で確認する必要がある。これもゆえあって、すでにクリアしておるぞい」


「根源の陣まで……もしや、もう片方かたほうの賢者とでも邂逅かいこうされたか?」


「ま、まあそんなところじゃわい。しかし二つほど問題が残ってしまった。原理がわかったところで、現象を魔法陣へ変換する方法、ならびに描き換えのやり方。肝心かんじんのこれらが、皆目かいもく見当けんとうもつかないんじゃよ」


「――なるほど、今のでそなたらの目的はおおよそわかった。だが、なぜに古代魔法の創造そうぞうをお求めか? 申し訳ないが、返答によっては……」


「吾らは今、来たる死闘しとうに備えて準備を進めている。これもその一環いっかんだ」


「死闘……?」


「ああ。事の発端ほったんから説明しよう」



星魂せいこん世界で、そのような危機が……」


 ノーストたちの話を聞き終え、腕を組んでうな刻宗ときむね


(この魔境を生きる者たちにとって、あちらは救いの次元ともいうべき終着点。それがおびやかされているというのなら……選択肢は一つ)


如何いかがじゃろうか、里長殿? ――このとおり、できれば力をお借りしたく」


 深々と頭を下げるガウラに、刻宗は大きく首を縦に振った。


あいわかった。どうやら、賢者の立場としても看過かんかできぬ事態が起こっている様子。微力ながら、某もすけ太刀だちさせていただこう」


「! 恩に着るぞい!」


「……ふっ、交渉成立だな。では、ここから先はうぬらにまかせるとしよう。吾は外へ出てくる」


「? どちらへかれるおつもりか?」


「なに、少しばかり地獄の上空で素振りをするだけだ。これのかんを取り戻さねばならないからな」


 そう言って瞬時に魔剣を出現させ、つかを握りしめるノースト。堂に入ったその立ち姿に加えて、ビリビリと空気を伝わる隠しきれない覇者はしゃのオーラ。ガウラは思わず息を呑んだ。


「……それがおぬしの、本気のスタイルというわけか」


「ああ。うぬとはいずれ、これでつばいをする日も来るだろう。期待しているぞ、ガウラよ」


 不敵に笑った彼は、そのまま飛んでいってしまった。刻宗は呆気あっけにとられている。


「そなた、よもやあの魔人殿と手合わせを?」


「フフ、約束したからのう。たとえ今はかなわなくとも、いつの日か必ず勝ってみせるぞい」


「……」


「それよりも、さっそく創造そうぞうについてご教授いただきたいんじゃが」


「しょ、承知した。変換したい現象は?」


「うむ。わしの固有スキル、《ラクシャマナク》じゃ!」

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