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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十二章 愛の因果律 ~掴みかけた夢~
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第198話 権限

「……それで、フルーカ殿はそもそもどうやってこの場所に? ゲームマスター権限とはいったい?」


 挨拶あいさつを済ませたガウラが質問を重ねる。彼はウーの導きでこの書庫まで来られたわけだが、見たところフルーカは誰もともっていない様子だ。まさか自力で次元を超えたのだろうか。


「先に二つ目の質問からお答えいたしましょう。わたしはわたし自身の固有スキル、《ニスカーサ》を使ってここに来ました」


「固有スキル……? うーん、吾輩わがはいの知るかぎり、次元干渉できるスキルなんて仕様上(・・・)存在しないはずなんだけどにゃあ」


 二本足で立ち、腕を組むウー猫。その愛らしい姿に、フルーカが微笑びしょうする。


「ええ、それは精霊様の仰るとおりです。わたしのスキルは元々、アスターソウルにおける"ヘルプ"で参照できる項目を大幅に増やす、という効果を持っていただけにすぎません。当然、それ自体に次元へ干渉する力などはございませんでした」


(ヘルプ項目の拡張――つまりあの世界のことわりを、誰よりも詳しく調べられたわけじゃな。……ある意味、最強のスキルと言えるかもしれぬのう)


 ガウラが考察するなか、フルーカは続けた。


「しかし……明虎あきとらさんや、彼がえんを結んでいる神仏しんぶつと改めて協力関係をきずいた日のことです。わたしはいつものように、調べものをするためにニスカーサを使いました。すると聞き慣れた音声ガイドではなく、まったく知らない声色こわいろで、突如とつじょなんじへ管理者権限を一部譲渡(じょうと)する』と言い渡されたのです」


「! それは……!」


(ふむ。ユウちゃんがくなったあと、ヘルプの自動音声は"世界の光"領域を後任こうにんすることになったチャロ(あの子)がやりくりしていたはず。そのタイミングで両者をさえぎるように介入が起こり、管理者権限を持ち出したということは――)


「以降、ニスカーサの説明欄には"ゲームマスター権限を行使できる"という一文が追記され、わたしはこの書庫へ自由に出入りできるようになった次第です。あの端末たんまつ操作そうさやロックも可能です」


「……フルーカ殿。その権限を譲渡した存在とは、もしや」


「ええ、声のぬしはおそらく……太陽神様。誠神せいしんは基本的に自ら名乗ったりしませんので憶測になりますが、状況的にそう捉えるのが妥当だとうでしょう」

諸事情で短めの回になりました。


※お読みいただき、ありがとうございます!

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