表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十二章 愛の因果律 ~掴みかけた夢~
202/356

第194話 魔剣

星魂せいこん世界が、そんな事態に……」


 リザードマンの集落で働く昌弥まさや。彼の元へ単独でやってきたノーストは、各種次元の置かれている状況について、つまんで説明を行っている。


「うぬはそのように呼ぶのだな。あちらのことを」


「え? ああ、里長さとおさからそう教わっていたのでつい……正式にはアスターソウルというのでしたか。現実世界の人々からすれば特殊なゲーム世界とのことですが、それはあなたやガウラさんに聞いて初めて知りました。……零子と会える可能性があるとわかっていれば、もっと早く"こうしよう"って、決断できていたかもしれませんね」


 昌弥の手には、武器や防具を作るための素材と思われる鉱物こうぶつや魔獣の骨などが握られている。彼は首長しゅちょうであるパリヴィクシャの指示で、集落の倉庫内にあるこれらの仕分けや、運搬うんぱん作業を手伝っているようだ。


「何事も始めるのに遅いということはない。うぬはこのまま、何も気負わずに愛珠あいしゅ獲得へ向けてはげむとよいだろう。あちらのいざこざは、われらが必ずや平定へいていする」


「……ありがとうございます、ノーストさん。その……零子を、あの子をどうかよろしくお願いします」


「ああ。守護魔しゅごまの名にけてまもり抜いてみせよう」


「ノースト様!」


 二人が約束を交わしていると、パリヴィクシャが割り込んでくる。彼は禍々(まがまが)しくも、どこか神々(こうごう)しい、意匠いしょうった巨大な剣を抱えていた。


「お待たせいたしました。久方ひさかたぶりの封印ふういん解除に少し手間てま取ってしまいましたが、こちらをどうぞ」


「ご苦労くろう。……やはり手に馴染なじむな、おの得物えものというものは」


 ブンと片手で素振りをするノーストを見て、昌弥が興味深そうに尋ねる。


「明らかに普通じゃない雰囲気をまとった剣ですね……そちらは?」


「魔剣ドゥシュタ・ニル・ガマナ。吾がこの地で生まれた時からずっとそばにあった、わば相棒あいぼうのようなものだ。守護魔にくまでの道程どうていで散々世話になったのだが……あまりに強力すぎるゆえ、いつぞやから自主的に封印していた」


「! じゃあ、それさえあれば……!?」


「……どこまで通用するかは正直わからぬ。相手は天使や精霊どもですら後手ごてに回るほどの兇手きょうしゅと聞いているからな。だが無論、勝つつもりでやる。……なに、吾と魔剣(こやつ)が組んで斬りひらけなかった道などない。うぬは安心して吉報きっぽうを待て」


「フフ、まさに鬼に金棒かなぼうですな。しかしわれらノースト様の右腕とて、此度こたびは全力で支援させていただきますゆえ。どうか役立ててくだされ」


 パリヴィクシャが片膝かたひざをつく。開戦かいせんおりは、ノーストの指揮下しきかにある魔物たちも動員される予定だ。ただし敵の実力を考慮して、精鋭部隊のみ転位させる算段となっている。


「頼りにしているぞ。……よし、では吾はあちらに戻るとしよう。そろそろ零子がアレを突き止めている頃合いだろうしな」


「? 零子、いま何かさぐっているんですか?」


「ああ。魔獣どもの出現位置(・・・・)を特定してもらっている」

お読みいただき、ありがとうございます!

もし続きを読んでみようかなと思いましたら

ブックマーク、または下の★マークを1つでも

押していただけますとたいへん励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ