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魂が能力になるVRMMO『アスターソウル』で死んだ幼馴染と再会したらAIだった件  作者:
第十一章 岐路へ立つ魂 ~決意の果てに~
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第174話 相関図

 集落をった少しあと

 ガウラは別れぎわに聞いたパリヴィクシャの話を反芻はんすうしていた。


の森は、われらが宿敵しゅくてき発生源はっせいげんとも言うべきみ地。当時のトレチェイスがどのような思惑おもわくでむざむざおもむいたのかは不明だが……もしそこでその夕鈴(にんげん)との邂逅かいこうを果たし、愛珠あいしゅを受け取ったというならば、何か有力な手掛かりが残っているやもしれぬ。同郷どうきょうの貴様にしか気づけぬ要素もあるだろう、よく調べてみることだ』


(忌み地……)


「何か気になっているようだな、ガウラよ」


 思案顔で歩く彼に、ノーストがたずねる。


「む? おおすまぬ、顔に出ておったか。いやはや不勉強で申し訳ないのじゃが、パリヴィクシャ殿の言っていた"宿敵"とは、誰を指すのかと思ってのう。……忌み地と呼ぶからには、さぞ相容あいいれぬ存在とみえるが……」


「そのことか。まあ人間のうぬが魔境の相関図を知るよしもあるまい。……では少しはなしながら行くとしよう。ただ黙々と歩くのも退屈たいくつになってきたところだしな」


「おお、それはありがたい!」



 アビヒの森に向かいがてら、ノーストは語ってくれた。


 魔境とは主に、四つの勢力がいがみ合っている世界である。一つはパリヴィクシャたちをはじめとする魔物――魔神の力によってこの地に発生した一派いっぱであり、これ対して、現在目指(めざ)しているアビヒの森で発生する魔物は、地獄から出てきたわば"しゅつごくしゃ"の魂を持った一派らしい。その多くは好戦的かつ排他的な性格で、魔神由来の魔物たちを毛嫌けぎらいする傾向にあるのだとか。つまり宿敵とは彼らを指しているようだ。


(出自の異なる魔物同士での闘争とうそう……予想はしとったが、なんともかなしき関係じゃな。しかし人間とて国や人種、思想の違いでいさかいの絶えぬ生き物。わしらはそうした意味でも同朋どうほうといえるかもしれぬのう……)


 寂寞せきばくに包まれつつ、ガウラはそのまま耳をかたむけた。


「そして、"出獄者"はさらに二分にぶんされる。地獄でのみそぎを終えた魂は、直近の転生にてけものを生きた者と人間を生きた者とが存在するのだが……前者が九割、残りが後者といったところだな。夕鈴に関しては、必然的に後者のはずだ」


「なるほど……ちなみにその両者も仲が悪かったりするのかのう?」


「場合にもよるが、おおむわるい。というのも、人間()がりの魂はほかのどの種族とも違う異形いぎょうの身体を持ち、獣上がりと比べて戦闘能力が大きくおとっているからだ」


「……異分子いぶんしは受け入れぬ。そういうわけじゃな」


「……ああ。よって人間上がりは独自のコミュニティを形成して閉じこもり、紛争をけて粛々(しゅくしゅく)と暮らすケースが多い。奴らは身を隠す技術にけているゆえ、ツテがなければ発見するのは至難のわざといえよう」


「ふむ。夕鈴かのじょがそのコミュニティに属している可能性は?」


「無いな。過去に属していた時期がある可能性は否定できぬが、楓也が"人間の姿をしていた"と言っていた以上、今は脱退だったいしていると考えて良いだろう」


「? なぜそう言い切れるんじゃ」


「……それについてはしかるべきタイミングで補足ほそくする。先に勢力の話をまとめるが、最後の一派は――魔獣だ」

話の途中ですみません(時間切れ)。


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