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神ですけど、チートスキル持ち異世界転生希望者が多すぎるので新世界に向けて実験を開始致します。

作者: 西瓜夏嬉

完結型の短編となっております。

今は除外されがちな神視点の物語。

なろう系のアンチテーゼを課題に執筆しております。



とある世界の方程式に取外された異次元空間。

地球界から私の世界に転生希望という

哀れな子羊を導く為に本日3度目となる転生の真っ最中である。


「神様!いろいろありがとうございました。

期待に沿えるようこの“なんでも開発出来るスキル”を

活用して世界に平和を取り戻したいと思います!」


「はい、活躍にご期待致しております。

忘れないで下さい私はいつでも

あなたを見守っていますからね」


テンプレートの台詞を言い

世界に降り立ったのを確認する。


「地球転生者番号8453番が世界に降り立ちました。

監視と行動記録。

成果の出そうな実験の検証をお願い致します。」


外界の使い魔に指示を出す。


ふぅ。とため息をついて一呼吸。

最近希望者が増えている気がする。


他の世界の神などしったことじゃないけど

地球神は何を行っているのだろうか?


あんなバランスの取れた世界を離脱するなんて

人類も愚かなことだなとつくづく思う。


「今日もまた新たな志望者か?

最近多いな。はたまた、運命神の導きが上手いのか?」


「私はただ要望を通して世界に通しているにすぎません

死神よ、今回の人物はどれくらい世界の驚異になると思います?」


「そうだなぁ、1年以内に40万ぐらいの死の魂は

今行ったヤツの開発する兵器で影響では出るだろうな。」


「そんなもんですか、思ったより少ないですね」


「でもいいのか?

世界人口は減る一方でお前の評価も落ちるぞ」


「いいんです、前にも話しましたけど

この世界は破滅を辿らせていますので。

今は、新世界に向けての

準備期間とだけでも言っておきましょうか」


「本当の死神はどっちなのかわからねぇな!」

ハハハッと死神と呼ばれたソレは笑う。


「でも、地球界の人間ってのは

不思議で魅力的ですね。

そういうのも含めて管理してる

あそこの神は凄いのだと思いますけど。」


「そうか?あそこは死者が少なすぎて俺にはつまらん。」


「死を管理する神のあなたにはそうかもしれないですね。」


「俺は、お前の世界に行ったアイツなんてったっけ?

世界の生物の半分を1日で持っていたヤツ!」


「6666番のことですか?」


「あぁ、そうそう!!!

あいつみたいなのが増えてくれると嬉しいだけどな。」


異世界転生番号6666番。


転生時に持っていた全てを無にする暗黒魔法が暴発して

人類の半分を失わせた人物。

ある意味、歴史に名を刻ませた英雄なのかもしれない。


そのまま、世界が消滅すると少し期待をしたけど

“地形を操れる能力”と“高度な癒やしの能力”の転生者の活躍により

世界の平穏は取り戻される。


3人とも能力を酷使しすぎて、

器が耐えきれず息を引き取りましたけど


えっと、今の世界での生まれ変わりは?

農家、鍛冶師、教師と至って普通の日々を過ごしているみたいだ。

今の人生では、世界の運命に参加することは無いであろう。


「私は2367番と2809番の王家の争いが面白かったですね。」


世界の魔王となった1919番の

悪行を止めたまでは良かったのだが

その後、考え方の違いから争いの勃発。


全人類を巻き込んだ第一次世界対戦へと繋がった。


片方は魔法兵器、近代兵器を活用する戦略


もう片方は、かつては敵対関係だった

魔物達を従えて数で押し切るという戦略


そんな中、新たな魔王として

3101番を世界に送り込んだら

人間通しの争いは終着。

再度、共闘して悪を倒そうという流れになった。


これは私の判断ミスだった今でも後悔している


もっと、悪役を遅く投下していたら

この世界も変わっていたのかもしれませんね。


「そんな、超能力者ばかり世界に送り込んで

逆に管理大変じゃねぇのか?」


「いえ、大体の転生者は己のスキルが便利すぎる余り

私利私欲に負けて快楽を貪って過ごしていますよ。

世界平和等とは無関係の人生を謳歌しております。

まぁ、それも人間の面白いところであるので

観察しがいはあるのですけどね。」


「お前の中で、成功してる転生者っているのか?」


「そうですねぇ…。人生の成功というと7303番かと」


彼は特殊だった。


というのも、もともと欲のない人間であった。


唯一、地球界の記憶を無くして

平和な日々を過ごしたいと志願を願う人物であった。


試しに“誰にでも愛される”能力を託し転生させてみたが

争いとは無縁にいろんな人に愛されそして生涯を終えた。


息を引き取る前に

「神様ありがとうございました。私の人生は幸福でした」と

言ってくれたのを記憶している。


そんな彼を、この残酷な実験世界に

再度転生させるのは酷だと判断し他世界の神に魂を託したっけ。


「実験の成功というと。

個人的に、面白かったのは

1045番と1060番の戦闘ですかね」


“絶対に破壊する武器”と

“絶対に破壊出来ない防具”を

持った彼らが戦闘するとどうなるのか

矛盾というのを追求した実験だった。


結果からすると、お互いの武器防具は交わった瞬間消滅した。


能力同士での矛盾を起こすとどうやら無になるらしい。

これは、私にとって大きな成果であった。


「そうかぁ。」

話を聞いてきた死神は興味なさそうに聞き流す


「それであと、どれくらいで世界は消滅しそうなんだ?」


「それは、わかりません。

いろいろ試してみてはいますけど

大きなバランスはなかなか崩れないみたいで

なかなか上手くいっていないのが現状ですね。

まぁ、この世界もこの世界で面白いところはあるので

ゆっくりと過程を楽しむことに致しますよ」


「そうか、そうか。

でも、いきなり世界の爆発とかはやめてくれよな?

転生先の割り振りは結構手間なんだ」


「承知しておりますよ」


「あぁ、またなんかあったら来るわ。じゃあなぁ~」


そう言って消え去る死神



さてさて、先程のあの人はどうなっているのかなぁと。


監視をしてみると

「おぉ!すげーまじでなんでも作れるじゃん!」と

様々な殺戮兵器を大量生産していた。


なるほど、これが人口が減る原因ですか。


果たして、彼はこの兵器が理由で

大量に殺戮が起こる未来をどうやって過ごすのでしょうかね。


その現実を受け入れたときに、彼の心理変化も見ものではあります。



それ以外も観察してみる。


魔王城を目指し冒険に励むもの。


それに備えて魔軍に指示を出す魔王もいれば


禁断の魔術の実験を繰り返す者

村での生活を楽しむ者


中には、快楽に身を任せ

博打を謳歌する者

子作りを励むものなど


様々な生活が見える。


いつもと変わらない見応えのない日になりそうだ。


突如として頭の中で声が響きわたる


「運命神様、新たな異世界転生希望者がやって参ります。」


使い魔の天使からだった。


「わかりました。その方の前世での経歴と

準備が整い次第ここに通して下さい。」


「かしこまりました早急にそちらに転送致します。

経歴は今お送り致します」


なになに、仕事中の爆発事故による巻き込まれによる死亡と

経歴も目立つのも無し。いつも通り変化無し。


「いつも通りの人材か」


しばらくすると一人の男性が送り込まれてくる。


「人の子よ、こんにちは。

戸惑うのも無理はないだろうが、

君は前世で事故による他界をしてしまったようだ。

特別に、お望みの容姿、特殊スキルの所得を認めよう、私の世界に転生してみないか?」


本日、4度目となる異世界転生。

こいつはどれだけ私に刺激をくれるのだろうか?


読んで頂きありがとうございました。

宜しければ、ブックマーク、評価。

コメントなど頂けると幸いです。

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