遺憾な感化
べらぼうに高い空蝉を罷り通り、空に泳ぐ魚は深く沈んで地盤沈下を引き起こす。パンはどこにいったのやら、探しても見つからない。見つからない。ま、ち、ゆ、違うと言ってくれ、と壁の中の人形に叫び、泣き、疲れ果て、頭がいたくなったので、ベランダから空の魚を見ては、さよならと言いたくなる。
気づきはもう遅く、アニメーションの歪み、ぐにゃりとしたその、阿呆さ加減を、知っては、また、つまらなくなる。やっぱり違うなぁ。声に出すとそれは嘘っぽく聞こえて、どうしてそのような言葉が簡単に言えるのだろう? 床を引き裂いて血のついた蟻を食べたい気分だ。
行かねばならない。もうすぐ。嫌ん。変な歌、つまらない詩を書いては夢を馳せ、眠ることもできず、あの声を聞き、錆びたタービンを少しずつ回していく。