6話 みんな大嫌い
「それでその作戦はどういうものなんだ?」
魔理沙がそう聞くとナッキーは得意げに答える。
「まずは霊夢と魔理沙はあの二人の相手をしてくれ。その間に俺とそこの魔法使いは術式の準備、門番とメイドさんは俺らの護衛を頼めるか?」
全員が首を縦に振りナッキーの作戦に賛成したようだ。そして、霊夢と魔理沙は上空にいるレミリアとフラン元へ行き二人の間に割って入った。
「ちょっと魔理沙!邪魔だよ!」
「霊夢貴方もよ…これは私たち姉妹の問題なの、邪魔をするなら貴方から消し炭にするわよ!」
しかし二人は、
「「だが、断る!」」
そして、激しい弾幕勝負が行われる最中、ナッキーとパチュリーは術式の展開を順調に進めていた。
「ところでこの魔法はどんな効果があるのかしら?」
「それはできてからのお楽しみだ」
「そう、楽しみにしてるわ」
そんなのんびりとした二人の様子を横目に美鈴は、
「ちょっと!そんなにのんびりでい…ギャフン⁉︎」
上からの流れ弾に美鈴は被弾してしまう。そんな美鈴を見て咲夜は、
「言わんこっちゃないわね」
と、哀れみの視線を向けた。そんな事をしてるうちにナッキー達は術式を完成させた。
「よし、あとはこいつを発動させるだけだな。霊夢!魔理沙!準備したから戻ってきていいぞ!」
「了解だぜ!戻るぞ霊夢」
「そーいう訳だからばいばーい」
「え?どゆこと?」
レミリアは思わずすっとんきょうな声を漏らす。その直後、術式から光が溢れ出した。
「術式『ルール』発動せよ!」
すると、術式の範囲内にいたレミリアとフランは勢いよく床に叩きつけられた。
「うぅ、何よ…これ…」
「体が重いよ…」
二人はまるで見えない何かに抑えつけられてるかのように見えた。その様子を見たパチュリーは、
「これは何が起きてるのかしら?」
「この二人は術式のルールを破ったから罰を受けたんだよ」
「ルール?」
「この範囲内で空中浮遊する事を禁止にさせてもらった。ちなみに罰は5倍の重力がかかるようにした」
「実に興味深い魔法ね…」
パチュリーが目を輝かせてるのを見て霊夢は察したので、
「はいはい、ここからが長そうだからさっさと事情聴取するわよ」
「で、あんた達は何が原因で喧嘩してたのよ?」
霊夢の問に対してフランが口を開いた。
「だって!お姉様が私のペットを殺したからいけないのよ!」
「あれのどこがペットよ!思いっきり貴方を襲おうとしてたじゃない!貴方はしつけもできないわけ⁉︎」
どちらにも非があると思った。
「ところでそのペットはどんな生き物だったの?」
「えっとね、すごく大きなトカゲよ」
その言葉を聞いてすぐ霊夢と魔理沙は、
「フランが悪いわね」
「フランのせいだな」
「ちょっと⁉︎どうしてよ!」
「あー、そこは俺から説明させてもらう」
―ナッキー説明中―
「ということが今この幻想郷で起こってるわけだ」
「つまり、その危険生物を駆除した私が正しかったというわけね…さてフラン、謝るなら今のうちよ」
「……さい」
「聞こえないわよ?はっきりと言いなさい」
「うるさい!バカ!『スターボウブレイク』‼︎」
フランの攻撃により辺りには煙が立ち込み、その場にいた全員の視界を奪った。
「みんな、大嫌い」
何も見えない最中ナッキーはその言葉を聞き取った。
「今の声は…」
そして、フランはその混乱に乗じてその場から姿を消した。
「フランの奴、随分派手にやってくれたな。」
「あれ?」
霊夢がある違和感に気づいた。
「ナッキーもいないわよ?」
失踪しとらんぞ!( ゜д゜)