プロローグ 異変の前触れ
人々が寝静まる夜、その異変は幕を上げたのであった。
その日の人里はいつもより騒がしかった。里の人々は天狗の号外に釘付けだった。その記事には「妖怪の山に謎の光出現」という見出しが掲載されていた。記事の内容によると、昨夜、突如として妖怪の山から一筋の光の柱がその姿を現した。その時、近くにいた天狗たちによれば、「光はなんの前触れもなく現れてすぐに消えた」と述べていた。光が消えた後その場に駆けつけると不思議なことにその場には何もなく、荒らされたような形跡すらなかった。現在、妖怪の山では妖怪たちによる調査が続けられている。
そして、この異変を聞き動き出す者たちがいた。
「霊夢、ちょっと話があるんだけど…」
「わかってるわよ紫、昨日の夜のことでしょ」
「ご名答、なかなか感がいいわね」
「あんたが来るときはだいたいそういう話の時でしょ」
「それじゃあ、早速調査を…」
「悪いけど今忙しいから後でやるわ」
霊夢はそう言ったが、これから昼寝をする準備をしていた。これを見て紫は、
「それは残念ね。今すぐ行ってくれたら夕飯は奢ってあげようと思ったのにな〜」
「よっしゃ!張り切って異変解決するわよ!」
こうして霊夢は妖怪の山へ向かうのであった。