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操縦席

作者: キサラギ

私は今、核廃棄物から生まれた超巨大怪獣と戦っている。

百メートルはあろうかというこの怪獣に挑むため、全世界の科学者たちが力を合わせ作り上げた超巨大ロボットの操縦席に乗り込んだのだ。


操縦席の周りには二本のレバーと大量のボタンがある。基本の操作はレバーで、特殊な攻撃などはボタンでおこなう。

私は右のレバーを前に出した。

ロボットは右足を前に出す。

左のレバーを動かした。

ロボットは左足を前に出す。

この動きの繰り返しで怪獣に近付いていく。レバーの上についているボタンを親指で押すと、パンチを繰り出す。私は怪獣から適度な距離を保ち、何発かパンチをお見舞いした。

怪獣も攻撃をしてきたが、人差し指でレバーのボタンを押し、うまく防御をした。ロボットのパンチが怪獣のボディに決まった。怪獣が少し苦しそうにしている。

ここだと思い、操縦席の右にある青いボタンを押した。するとロボットの足首あたりの給油口のフタが開いた。どうやら押すボタンを間違えたようだ。

青いボタンの隣の黄色いボタンを押した。ものすごい音量でブラックミュージックが操縦席内に流れ出した。またも押すボタンを間違えたようだ。

黄色いボタンの上の茶色いボタンを押した。操縦席横のガラスがゆっくりと開いた。またしても間違えてしまったようだ。

怪獣はその隙間を見つけ、口から火を吹き出してきた。大変だ、これは熱い。

やむを得ない、緊急脱出だ。

私は二本のレバーの間にある大きな赤いボタンを押した。「プップー」と辺りに響き渡るクラクションの音。

またも間違えてしまった。

だが、怪獣の様子がおかしい。頭を抱えながら倒れ込んでいく。

どうやらクラクションの音が怪獣にとっては非常に不快な音のようだ。

怪獣は煙を出しながらどんどん小さくなっていき、最後は竹炭のような黒いかたまりとなってしまった。


こうして私はこの地球に平和をもたらしたのだ。

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