0.暁にたゆとう、日の島へ。
2話同時投稿です。
巨大な星が地上に落ちた。
この天変地異によって、大地はえぐられ、塵が舞い上がり、太陽の光は熱い雲によって遮られた。この瞬間から、地球は長い氷河期に入ることとなる。
生き残ったわずかな人々は身を寄せ合った。 数千万年に一度の災害の前に、民族の間で敵対し争うのは、あまりにも愚かであることは知れた。しかし最初のうちは、長年の対立関係にあったせいからか、小さないざこざが絶えなかった。しかし、いつしかヤ人もマ人も関係なく、協力し合うようになった。
長引く氷河の時代、大災害を生き残った者たちの一部はより暖かな土地を求め、旅に出た。
北へ西へ、そして凍った海峡をわたり、陸地沿いに歩を進めた。その先のあるであろう新天地へと、それは、あてのない長い長い旅であった。
長い旅路の果てにたどりついたのは、小さな島国であった。人々はその島国に定住した。
その頃にはヤ人もマ人もなく、二つの民族は融合し『ヤマ人』と名乗っていた。
――そして、新たな地で国を作り、長く繁栄することとなる。
序章 完?
★妄想あとがき★
マ人とヤ人が生きた場所は南アメリカで、旅に出なかった者たちが築いた文明は、マヤ文明と呼ばれるものになっていくのかもしれない。
予言者たちの一族の生き残りが蒔いた種「東の海に旅立った神は戻ってくる」という言葉により、やってきた異国の者にあっけなく占領されて文明は……
ちなみに、メキシコ湾には隕石が落ちてできたというクレーターがあります。(実際に落ちたのは人間が存在する時代ではないですが)