はじめに
話が進むにつれて、心情描写に残酷な描写が出てくると思います。
人が抱える闇に触れた描写となりますので、感化されないように気をつけていただければ、と思います。
また、この小説は、実話系として投稿させていただいておりますが、登場人物や登場する会社名、学校名等は架空のものとなりますのでご注意ください。全てが全て実話とは限りません。
しかし、内容の8割方は実話となりますので、その点も合わせて留意していただければと思います。
この話は、一人の人間の半生を綴ったものです。
真実であり、現実のものです。
けれど、これを読む貴方にとっては、非現実であり空想のものといえるでしょう。
それでも構いません。
ただ、私は、知って欲しいのです。
彼女が送ってきた半生を。
それでも彼女が、だからこそ生きていくのだと、胸を張って言えるようになるためのけじめとして。
この小説は、彼女を助けてくれそして支えてくれた友人たちに、彼氏に感謝を込めて―――――
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私の名前は、嘉嶋弓弦。
大学3年生。
秋も過ぎ去ろうとしている今は、後学期の真っ最中で、けれど講義には行っていない。
履修登録だけは済ましたけれど。
ならどうしているのかって?
今は、逃げているの。
とても怖いものから。
逃げないと生きていけないから必死で逃げているところ。
今、居る場所にはそのとても怖いものは来れないから、居続ける事ができているけれど。
ここも何時知れてしまうのかと不安に駆られるけれど、一番私が安心出来る場所だから、ここに居る。
何が怖いのかって?
ふふ、それはね・・・
親、なの。
実の両親。
特に、母親が怖いの。
あぁ、でも父親も怖い。
ずっと、逃げたいと思ってきたの。
ずっと、解放されたいって思ってきたの。
あの“二年間”、死のうとすら思い詰めて、電車に飛び込みそうになったこともあったわ。
死ねば、全てから解放されて、楽になれるって識っていたから。
楽になりたくて、少しでも忘れたくて、手首を切ったこともあったわ。
今でもその跡が左腕に微かに残っている。
忘れられない、忘れてはいけない過去。
解放されたくて、死にたくて、ODまがいのことをしたこともあったわ。
苦しくて耐えられなかったけれど。
死にたいってずっと思い続けていながらも死のうとするその直前に踏みとどまる根性なしだと思われても仕方ないわね。
ニュース等で、学生が自殺したっていうことを識ると、私は羨ましかった。
死ねる勇気を、踏みとどまる躊躇さを乗り越えて逝ったのだと思ったから。
周りは、死ぬなんてなんて親不孝者だ!なんて罵ったりしていたけれど、私はそうは思えなかった。
きっと親もせいせいしているんじゃないかって思った。
手の掛る、家計を逼迫させる存在が一つ減るんだもの。
悲しんでいながらも内心では諸手を挙げて喜んでいるんじゃないかって思った。
きっと、私の両親ならそう思う。
そして、十も年の離れた弟もきっとそう思う。
今、ニュース等で大きく取り上げられている“学校でのイジメ問題”。
私は、イジメは学校だけじゃないと思う。
組織、あるいは人が集まっているコミュニティの中では当然の理として、厳然たる事実として存在しているものなのだと思う。
現に、私は、学校でのイジメを受けたことがあるけれど・・・
別にそんなの苦でもなかった。
学校を出れば、関係無かったもの。
学校で過ごしている時間だけ受ければよかったのだもの。
けれど、ね。
私は、家に帰るのが一番嫌だった。
家が爆発して無くなってしまえばいいとさえ思っていた。
私が受けていたのは、学校でのイジメだけじゃなかった。
家が安らぎだなんて良く言われるけれど・・・
私にとって学校が安らぎで、家が地獄だったのです―――――
以前、書いておりました「死に会いに逝きます。」は、作者の思うところがあり削除させていただきました。
また、元々執筆が遅いこともあり、更新が遅くなることがあります。
気長にお待ちいただければ、と思います。
宜しくお願い致します。