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「落ち着いたらフィールド型の層を作って最下層につなごう。そしてそのフィールド型の層に世界各地への出入り口を持たせる。最下層からどこでも行けるようになるぜ。またしてもテンプレ達成だな。転移魔法と言っても過言ではないね」


《・・・もう一つ驚くべきお知らせがあります。フィールド型の層の説明の後に言おうとしていた事です。昨日まではルル単体のみが最下層への瞬間転移が可能でした。ルルの能力が上がって、最下層へならばわたし達も同時に転移することが可能になりました》


「え・・・そんな都合のいい事が」


《ですよね・・・ここまでくるとかえって何か疑わしい。世界中のどこからでも瞬時に最下層へ転移して、ダンジョン入り口を設置した場所なら世界中のどこへでもほぼゼロ時間で行けてしまいます。

 そういえばあのヒロシを名乗る転生者(仮)は突然現れました。このような仕掛けを利用したとするなら、あの者自身がダンジョンマスターである疑いも出てきましたね》


「やっとミューズにも意味がわかりましたぁ~グスン」



 ミューズ以外、あまりの事の重大さにみな絶句してしまったようだ。オレもそうだ、非現実的すぎてどうしようもない。理解も出来ていないので急いで作る気にもならない。転生者(仮)対策も思いつかない。この話は一旦寝かした方がいいな。



「みんな。この話はもっと先で楽しもう。いまは混乱しててなんか間違ったことやっちまいそうだ」


《同意です。ではルルの新能力の続きを。ですが・・・》


「なんだ?やっぱり転移を掘り進めたいのか?」


《いいえ。そうではなく。次の話題も今レベルの衝撃があるので》


「・・・マジか。もうお腹いっぱいなんだが。テンプレっぽくてヤベー感じなのか?」


《・・・これは少し毛色が違いますがおそらく、はい》



 うれしい!

 うれしけどちょっとまって!!







 あいかわらずマスターは超感覚、超直感の権化です。いま手に入れたばかりの能力の最も有効な利用方法を一瞬で思いついてしまいました。

 しかし同時に嫌な予感もしています。()()()、という感覚。いままでにも数度感じました。何者かによる干渉でありしかもかなり上位の存在からです。もはや確信を通り越して確定事項となりました。

 そしてその干渉の瞬間を今日は初めて観測できました。何らかのエネルギーの閃きでした。一瞬です。一瞬で消え去って行きましたので何もわかりませんでしたが。


 今回も棚上げとしましょう。何もできませんので致し方ありません。ルルの新能力の話に戻ることにしましょう。



《シンプルに言いますよ。貯めた神の力で色々な物品と交換できるようになりました》


「お~いいじゃん。前にオレ言ったよな?全く同じことを」


《はい。何かカッコイイものをくれと》


「それ言ったのはアイな。まぁ意味的には同意する。だがさっきのファストトラベル装置に比べたらインパクトがないな。

 いやもちろんすげーことだよ?めっちゃ嬉しいし驚きだよ」



 ダンジョン運営モノとしては基本中の基本だよな?貯めたポイントで強いモンス生産したり、罠を仕掛けたり、アイテム交換したり。テンプレを目指すオレとしては願ったり叶ったりだ。

 まぁでも交換リストに聖剣とか勇者の鎧だとかはないだろうとは思う。そもそも武器防具全般が無い気がする。この世界の感じだと、う~ん、魔石と金貨、それからダンジョン用の備品系アイテムが妥当かな。アイテムって言っても消費系じゃなくてそれこそ罠とか回転床、隠し部屋、隠し通路、噴水に扉系などなどなど。あとは松明とか窓のダンジョン装飾品?

 あっ!壁のテキスチャとかどうよ。この完全に統一された全て同じ通路、塗り替えたくねぇ?



「んじゃ何が交換できるの。リスト見せてよ、VRできる?ミューズも見たいっしょ」


「きょうイチたのしみですぅ~、スィーツ食べたいのです」


「アハッ、笑わせんな。それ絶対ないヤーツ!」


《確かにスィーツはありませんが、完全にハズレでもないようです》


「えっ?」



 驚いたオレが聞き返すもアイは無言でダンジョンの壁に交換リストを表示し始める。商品の絵つきだ。それを見たオレは驚愕する。

 色々想像してはいた。何が出ても『まぁありうるよね』ぐらいで流せるハズだ。例えば世界を滅ぼす魔剣とかがあっても、わーびっくり、で終わるよ。誰が交換するかよっ!ってね。

 そうじゃない。意外すぎて予想だにしていなかった物が映し出されていた。



「こ、これは・・・え?これなに?」


《見ればわかる筈です。名前も載っていますしね。()()()()



 それは、、、それはなんと冷蔵庫だった。いや冷蔵庫だってのは見ればわかる。でも頭がそれを理解するのを拒否していた。これはなに、なぜ、としか浮かんでこない。

 そして商品はこれだけではなかった。TV、洗濯機、掃除機、パソコン、スマホなどあらゆる家電。机、椅子、棚、箪笥、キッチン、シンク、風呂の浴槽、あらゆる家具系。食材、薬、化粧品、洋服、タオル、布団、もう例を挙げる意味さえ失うほどの全て。一般的に家の中にある全てだ。もっと言うなら日本の家の中だ。そして極めつけは家と車だった。

 オレはもう混乱しかなかった。ミューズはキャッキャして何を頼もうか選んでたけど、なんでそんな反応なんだ?普通に異常だろ。いや普通に異常ってなんだよ。


 そしてオレは考えるのをやめた。







《マスターが旅立ってしまったのでミューズ、一緒に検討しましょうか》


「スィーツはなかったけどぉ~たこやき器がありましたぁ~るんるん」


《一番の好物でしたね。それはよかったです。しかし何より優先して交換するべき物あります。何かわかりますか》


「・・・たこやき器ではぁ?もしかしてこむぎこ?」


《やっぱり一人で選んでいなさい》


「?・・・は~ぃ」



 ミューズを相談相手とするのは少々無理がありました。仕方がないので一人で考えます。

 現状このリストの中で優先度が高い物を抽出しましょう。候補が多いのは当然ですね。日本の快適な暮らしが一瞬で再現できるのです。マスターが選ぶものもだいたい予想がつきます。

 まずは洗浄機能付きトイレでしょうね。トイレットペーパーもセットです。次に調味料あたり。慣れ親しんだ食材の数々。米なんて食べたら泣き出すかもしませんね。あとはやはり王道の便利家電でしょう。


 しかし私の考える最優先のモノは全く違います。ズバリ棚です。箪笥でもよろしい。何に使うのでしょうか。ヒントは交換したこれらの商品はダンジョンに吸収されない、ということです。


 そうです。ダンジョンの中に保管できるスペースが出来るのです。ダンジョンは本当になんでも吸収してしまいます。それこそゴミや排泄物でもです。

 魔石を保管できますし、大事なものをここに置いておければ最強の守りになりますしね。


 マスターも正気に戻れば色々欲しがるでしょう。もちろん交換するに否はありません。ただ説明文をよく見てください。必要交換ポイントが高い。高すぎです。

 こじんまりとした棚が1億とはまいりました。この小さな棚がダンジョンの複数層分以上に相当するのです。しばらくは手が出ないことが確定です。さすがにそのポイントがあるならダンジョンの改築に使用したいところです。


 しばし絶望に打ちひしがれているとマスターが復帰したらしく、商品リストを見だしました。ここまでの間で検討した内容と高額な交換ポイントについて報告します。



「たしかに高いなぁ~。ひとまずこのレジャーシートを交換したらどう?この上に手作り家具でも作ろうか。棚だっけ?

 あ~あと耐震用の家具の下に入れるゴムパッドみたいなの、アレもいいんじゃない。こっちの方が安いな」



 なんと目からウロコです。確かにそれでいい。レジャーシートはそれなりに広い物もある。



「ほんとは家とか贅沢家具とかほしいけど無理だから、こういうのはできないかな?この最下層をフィールド型にする。んでなんのフィールドかって言うと『街並み』とか?『草原の中の一軒家』とか?うまくすりゃ家具まで付いてくるんじゃね」



 すばらしい。これが超直感オトコの実力なのか。



《一軒家がフィールド型ダンジョンで実現したとして、その一軒家自体もダンジョンの一部なのでは?つまり一軒家の中に机があったとして、その上に何か置いたら吸収されるのでは?》


「平気だろ。交換でもらう棚だってレジャーシートだってダンジョンの一部だ。同じことだよ?それが許されないならこの交換リストの大部分が無意味な物になる。洗濯機あるだろ?それでオレの服を洗濯したら消えちゃうの?そんな洗濯機意味ねーぞ。

 あとアレだ。前に通路の床壊しちゃっただろ?あの下の黒いのがないと吸収しないと思うよ。まぁ安心していいぞ。オレが今まで見てきたラノベでそこまで吸収しちゃうのは1つも無かった」



 なんでしょう、説得力があるような無いような。結局マスターを信じるしかないのですが。

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