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 ミューズと連れ立って11層に降りて来た。

 例の境界を越えると魔素がさらに濃密になる。



「魔獣の強さはこの濃密な魔素も関係してるんだろうな」


《同感です。前世と現世における野生動物の体格の差の話は覚えてますよね。あれと同じ構図が適用できるのではないでしょうか。同じ種で比較した場合、より濃い魔素環境ならより強い魔獣が発生しているのかも》



 昨日様子見で11層に降りた時に見た紫のアレを思いだす。



「ボアで言うなら、魔素の濃さによって力と体格を強化する方向へ進化したと?」


《はい。1~3層のウルフで言うなら素早さと牙、というようにですね》


「人間で考えたらどうなると思う?」


《ここからは推測が大きく入ります。人間の場合は『魔素をツールとして使う』能力へと進化させたのではないかと。魔素を使う魔獣は現在確認できていませんし、人間は体格も力も頭脳も大きな変化は見られませんので。逆に魔素を使う魔獣が現れ出したら要注意ですね。格上の可能性があります。端的に言うなら身体強化や光の矢の類を使う魔獣ですね》


「ミューズは魔獣で身体強化を使うんだが・・・なんだか嫌なフラグが立った気がする。まぁいい。それに言うほどこの世界の人間はツールとして使えてるか?ぜんぜんだよな」


《それはマスターがはるか高みにいるからです。その位置からみたら他の有象無象などは塵芥以下。マスターには盲目の赤子が箸を使ってゴハンを食べているように見えるでしょう。本人からすれば生きるために必死なのにです。差が大きすぎて比較することは無意味です。ですが才能としては人間全員が持っていると思いますよ。それにマスターには魔素視という優位性があることを忘れてはいけません。

 それよりも今後さらなる魔素の濃い環境が現れることを考えましょう。強さで言えばダンジョン深くにまだまだ上がいます。でないとゲーム的に非合理ですので》


「そうだな~もっと強いのが出てくるかもだな。よしミューズ。戦闘には参加するな。離れて強化して防御な。アイ、ミューズはレベルアップするのか?」


《たった今までしないと考えていました。しかしミューズは魔獣でありながら層間移動を果たし、魔素の濃度が違う環境にやってきました。このような状態にある魔獣はいままで存在しなかったに違いありません。可能性は高い。いや可能であると言っておきましょう》


「りくさま~ミューズはつよくなった方がよいのですかぁ?」


「ああ、オレと一緒に行動する以上ある程度の強さは求められるな」


「わかりましたぁ。りくさまと一緒にれべるあげデートですね」


「お、おぅ」



 オレの理想の女性がトンデモ笑顔でデートって言ってくる。

 もう魔獣とか関係ないよな?好きになっちゃうYO



《マスター?さきほど戦闘に参加するなとご自分で指示されていましたが?本日は様子見がいいかと。それに今後の予定も考えてありますので。ミューズの育成も含めて練り直しが必要です。

 いま一番必要なのはこの層の魔獣を倒すことです。できればレベルアップしたい。その結果でおおよその経験値が見えます。それを見て予定を組みますので》


「オレもウズウズしてる。いこうか。気配を消すからアイは索敵だ。ミューズは離れて気配を消してて。あっ」


「ぇ~ん、できません」


「じゃ大きく離れてて。ってか見た目のクールさとその話し方のギャップよ・・・」






 アイの指示に従い通路を進む。すぐに魔獣を見つけ接近していきコーナーからそっと魔獣の様子を伺う。



 それはもうボアの範疇を超えていた。



 象並みの体躯に口の端から上向きに突き出た巨大な牙。盛り上がった背になびく剛毛。このあたりまではまぁいい、大きさはともかくギリギリ猪の範疇だ。

 おかしいのはまず色。全体に紫がかっている。コレ生物の色としてまずくねぇ?さらに極端に短い脚が漫画イノシシだ。その脚はムキムキの筋肉が詰まっている。


 極めつけは頭部だ。


 ゲームをたくさんやってきたオレにはわかる。デコの平たくて硬そうな部分、これで頭突きしてくんだろ?牙と鼻による突き上げと頭突きに注意だ。どちらも突進からだな。

 顔面全体に鉱石か、または水晶がいくつも貼りついていて硬質化しているように見える。防御力クソ高いのは間違いない。顔の正面部分だけのようだから他の部分なら狙えそうだ。



「ゲームから飛び出してきたような魔獣だ。9層までに比べて大きく変わったな。たぶん段違いに強いぜ。正面は矢が通らないかも。魔素視で見た感じ倒せはすると思う」


《ええ。ただし魔素を多く込めれば顔面でも貫通するでしょう。が、コスパが悪そうです。現在のマスターの練度では『ため』に時間がかかりますしね。まず足を止めましょう。その後、硬質化部分以外の急所を。おすすめは目と耳の後ろです。

 あの巨体のせいで通路での行動が制限されるでしょう。ご注意を》


「こっち向いてるなら初手で目もいいな。いくぜ」



 一呼吸置いて集中を高める。


 うんいい感触だ。周りの魔素がハッキリと認識でき同時に時間がゆっくり流れるような感覚。この魔獣はあきらかに魔素が多いとわかる。特に力、筋力に偏ってるな。


 オレはゆっくりと通路に出て最初の狙いを目に定めて放つ。


 おそらくこいつは目に命中するまで気が付けなかったな、オレに。

 それほど滑らかで早い動きだったと思う。

 片方の目をつぶされて残った方の目でやっとオレを認識したようだ。


 怒り心頭でこちらに向かってくるがこっちだってただ待ってるわけじゃない。

 第一の矢よりさらに速度特化させた第二の矢を射る。


 これで両目をつぶした。

 ただもう止まる気はないようで、やみくもにこちらに突進してくる。

 オレは通路を角の所まで戻り様子を見る。


 案の定曲がり角でやつから見て正面の壁に衝突。一時的に巨体が止まる。



(はい、待ってました)



 図らずも側面を見せて止まった紫の躰を見遣る。矢を足に集中させるか迷ったがアイの言う通り耳の後ろとさらに頸部に立て続けに撃ちこんだ。



《お見事ですマスター。ほぼ瀕死と思われます。今なら矢を時間をかけて強化できます。とどめを》



 側面からではあるがきっちり頭部を吹き飛ばしてやった。内部破壊矢だ。

 一気に魔素に還ってゆく。

 さぁ、経験値はどうだ?



《・・・・・・・・・・・驚きました。

 まだ概算ですがウルフの100倍前後の経験値が見込まれます。コピーの魔素塊も減らされているとはいえなかなかの大きさでした。でもこれは更に大きい》



 ひゃ、ひゃ、ひゃっくぅぅぅぅ~~

 いまの1戦のみでウルフひゃっびぎぃ~

 わーい 祭りだ!

 つぎいこ、つぎっ!


 調子にのったオレはアイにどんどん索敵させて突っ込んでいく。


 オレの経験値ちゃん、はやく!


 基本は目を狙うか足を狙って止める、んで急所を狙う。最初のと一緒だね。

 でもいままでと違って楽しめる戦闘だ。テクニカルな動きが必要だし工夫する余地もある。もちろん危険度は跳ね上がった。


 アイは遠くからデカイのを一発でいい、と言う。


 うん、確かにそうだろう。飽きたらそうするね。

 でも今だけは! 遊ばせて! 蹂躙してやりたいの。

 オレTueeeしたいの。


 ワハハハハハハ!



 合計6体の紫ボアを倒した瞬間。




 テテテテーテーテー テッテレーーー




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】リク

【LV】20

【NEXT】10958


HP 511/1236

MP 0/0


STR 52

VIT 53

DEX 45

AGI 49

INT 25


【付加中】身体活性[2]

【スキル】長弓[5]  速射[4]  光の矢[1]

     身体活性[3]  気配隠蔽[7]

【ユニーク】魔素視  AI解析

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 久しぶりにステータスで活性[2]を見たんだが・・・

 わーお、恐ろしい事になってんな?

 完全に[1]に見慣れちゃってたよ。もはやボアを殴り殺せるんじゃね。



《マスター、コピー案件に集中し過ぎて少し油断していたようです。活性でステータスが爆上がりしたこと自体はいいのですが、おろらく弓がもちません。すぐにではないでしょうが強度の高い弓が必要です。または武器を変更するのも手ですが》


「えっいまさら武器を?やべーなそれは。現実的なのかな?」


《そのステータスなら大きな堅い石を持って殴っても効果大かと》


「ダンジョンに石が・・・」


《例えです。ミューズの武器の件もあるので早急に検討しましょう。いまの6体分は経験値モードでした。慌ただしいですが魔石モードで10個ほど採取して帰りましょう。忙しくなりますよ!》

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