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(一応説明するがこの人は前の世界でモデルやってるミューズって人だ。憧れてたよ。知り合いでもなんでもない。逆にそっちも説明しろよな?なんでコピー魔獣がオレじゃなくてミューズなんだよ。しかもこれから討伐するのかよ。悪趣味すぎるだろ)


《いいえ違います。ミューズこちらへ。マスターに挨拶を》


(えっ?)


「初めましてマスター。ミューズと申します。アイと共に誠心誠意マスターに尽くします」


(・・・・・・えっ?)


《説明をとのことでしたがどこまで説明しましょうか。ちゃんと説明すると2~3日はかかりそうですが。ふ~む、今マスターは気が動転しているでしょうから表面だけのさらっと説明で大丈夫でしょうかね。なんなら説明しなくてもよさそうな気配も・・・それはさすがに失礼ですね》


(・・・・・・・・・・・・・・えっ)


《対象の情報を読み取ってコピーを作成するダンジョンシステムを利用しました。こちらの外見を魔素で偽装して読み取らせる。同時にその情報にトロイの木馬を隠蔽。即座にトロイを発動しコピー製作に介入。完成後支配権を乗っ取りました。

 現在ミューズは私と繋がっており完全に制御下にあります。外見はモデルのミューズ、ステータスはマスターという魔獣です》


(・・・・・・討伐しないと部屋からでられないんじゃ)


《混乱の極致にいるのになぜその点を冷静に指摘できるのか甚だ疑問です。が、よい質問です。ミューズの支配権を得た時点でダンジョンが創り出した魔獣としてのミューズは討伐判定が出ています》


(・・・・・・オレが寝ている間に部屋を出入りしたな?どうやって?誰が運んだ?)


《重ねて驚きです。混乱の頂点では逆に論理矛盾に気が付きやすくなるのですか?まぁよろしい。マスターが寝ている間に私が体を操りました。昨日からできるようになりました》


(きいてねーぞ)


《はい。サプライズですので》


(目的はなんだ)


《実験を思いついた時点ではただのデータ取りが目的でした。10層の情報を軍から手に入れた時です。かなり前ですね。その後の日々をあなたと過ごす中で絶対に信用できる仲間が欲しいと感じたこと、先日のパーティー加入勧誘の件、また私の能力が飛躍的に上がった事が今回の作戦に結び付きました》


(そうか・・・仲間、パーティーメンバーか。確かに都合の良いメンバーだ。でも魔獣なんだよな?)


《魔獣と人間、マスターはどこで見分けますか?》


(え?そりゃ見た目がモンスターだし、人間を見れば襲ってくるし、話は通じないし?)


《ミューズを見てください。今のどれかに1つでもあてはまりますか?》


(・・・・・・)


《そもそも魔獣だったとして問題が?魔獣が側にいるだけで死んでしまう生物がいるとでも?精神的問題?いいえ、ミューズが魔獣だと見破れるのは繋がっている私だけですので》


(口でアイにかなわないのは最初からわかってる。サプライズ過ぎてちょっと抵抗したかっただけだ。まいったな・・・)



 ミューズがオレをじっと見つめている。真剣な眼差しだ。

 なんてゆうかズルい。

 めちゃ憧れてた人にそんな目でみられたら?

 しかも絶世の美女なんよ?

 否定的なアクションとれないじゃん。



「ひとまず認めざるを得ないよな。ミューズはオレ達のパーティーのメンバーだ」


「ありがとうございます!」



 ミューズがオレに近づいてきて跪く。オレの手のひらを両手で包み手の甲へとキスをした。

 そのまま立ち上がって今度はオレの腕を自分の両腕で抱きしめ身をピッタリと寄せる。オレよりかなり背が高いな。ヒールを脱いでもまだ高そうだ。オレはまだ成長中だけど170はあるハズだ。ミューズは175~180ぐらいだな。ってそれよりおっぱいが腕に・・・・



《マスター、目がいやらしいです。ミューズのステータスを表示します》


(いやまて、ミューズ動かしてるのおまえだろがっっっ!!)




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】ドッペルゲンガー(ミューズ)

【LV】19


HP 1105/1105

MP 0/0


STR 8

VIT 9

DEX 11

AGI 15

INT 13


【スキル】身体活性[2]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「オレの素の状態なのかな?スキルが少ないが活性すれば強いなたぶん」


《偽装の方に手いっぱいでスキルのコピーが困難でした。またユニークに関しては100%無理だと思われます。神の力はコピーできない》




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】ドッペルゲンガー(ミューズ)

【LV】19


HP 1100/1105

MP 0/0


STR 18

VIT 19

DEX 21

AGI 25

INT 23


【付加中】身体強化(仮)

【スキル】身体強化(仮)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「うん強い、強いけどなんか違うね?」


《私にも予想外です。強化の度合いもステータス間のバランスも違います。明らかに均等強化ですね》


「むしろこれこそオレが見てきたゲームの身体強化だな」


《・・・それですっ!!ああ・・そういうことです!さすがマスター!》


「どれだよ、嬉しそうだな」


《マスターのいままでの身体強化、身体活性こそが異常だったんです。魔素視に端を発する魔素に対する卓越した親和性があったればこその強化倍率だったのです。マスターがおかしく、ミューズこそが正しい強化なのです》


「異常とかおかしいとか・・・」


《褒めてるんです。もともとマスターの強化バランスには違和感がありましたよね?INTが伸びずSTRとVITばかりが強く伸びる強化でした。これはマスターが足りていないと思うものを伸ばし、逆に不足を感じていないものは伸ばさなかった結果なのです。マスターは子供の頃からこの世界では異様な知能レベルでした》


「そりゃ前世の経験があるから知能は高くて当然だよな。例え記憶が封印されていたとしても。それとオレの体って割と細身で基礎ステータスでは力と体力が弱いのを気にしていたからか?」


《まさにその通りです。それらが無意識にマスターを動かした結果があのアンバランスな特有の強化なのです》


「だったらどのステを延ばすかはオレの自由自在なの?」


《おそらく。マスターだけが持つ魔素への親和性ゆえにです。だからコピーできなかった、ミューズの強化がマスターと違う物になった。神の力に由来するから》


「自由自在どころか強化と活性の使い分けも無理だし、特定のステータスを狙って上げるのもちょっとできないっぽいんだが」


《いまはそれで構いません。鍛錬あるのみです。使い分けと言いますが、そもそも強化と活性に大した違いはなかったということです。ただの段階または強度の差なんです。違いがあるとすれば『マスターの強化とそれ以外の者の強化』の間にこそあるのです》


「ま・・・また鍛錬ということはわかった。このあとどうするんだ?ってあっ!おいっ!ダンジョン出る時どうすんだ?ミューズは置いてくのか!?」


《考えがあります。11層にいきましょう》


「よし、ミューズ、こっちだ。下層へ向かうぞ。とりあえず腕は離してね」



 ようやくミューズが腕を離してくれた。自分で離せといっておいてなんだこの寂しさと物悲しさと後悔は。相手は仲間とはいえ魔獣だぞ!ぐぬぬぬぬ。

 しょうがないので一旦忘れたことにして、2人で部屋の出口方向に向かう。アイによれば討伐済フラグが立っているらしいので境界は通過できるハズだ。

 うん、問題なく通れた。

 しかしここで予想外の事態が起こる。なぜかミューズだけが通れない。境界の見えない壁でそれ以上進めないようだ。今は境界を間に置いてオレとミューズが向き合っている。ミューズそんなに見つめるなよ恥ずかしい、てへっ



「アイ、どうなっている」


《お待ちください・・・・・・・ふむ。

 ミューズ、いまからあなたの制御を解きます。今後スタンドアローンでマスターに仕えなさい。繋がりを解けばあなたの性能は大きく落ちます。覚悟なさい》



「ちょまっ」



 止める間もなくアイは実行してしまったようだ。



「リクさまっ!」



 叫びながらミューズが飛びついてくる。境界は越えていた。



「はじめましてっ!ミューズです」









「アイ、説明しろ。30字以内だ」


()()()()()()()()()()からです》


「200字まで許す」


《直感プログラムに従いました。境界の役目の一つは魔獣を地上に出さないこと。魔獣とそれ以外を見分けているのは自我の有無》


(自我を持たせるために支配を解いたのか。襲い掛かってくる可能性は?)


《有り得ません。魔獣が人間を見れば絶対に襲ってくるように、ミューズはマスターに絶対に尽くすよう創られています》


「アイさんの言うとおりでーす」


《ミューズ、マスターに対し馴れ馴れし過ぎです。言葉使いも正しなさい》


「ぇ~、リクさまが嫌ならかえますけど~」


「いやじゃない。けどミューズの外見と合ってないよ?クールビューティーなんだから」


「わぁ褒めてもらえてうれしぃ~、アイさんとキャラがカブってしまいますがいいですか?」


「じゃ3人だけの時はスキにしていい。他人がいる時はそれなりに。それとアイはこのパーティーの頭脳で指揮担当だ。基本従うように」


「わかりましたリクさま~」


《マスター、ミューズに何か伝える時は口に出しても聞こえますし私経由でも伝わります。タイムラグはほぼゼロです。その場に応じて使い分けて下さい》


「さっき繋がりを切ったんだよね?」


《他者の鼓膜に干渉する技術は昨日確立させました》


「性能が高すぎ、マウンt・・・・・やめた。ミューズが変な言葉覚えるからな」


《マスター!?それは変な言葉だったのですか!?》

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