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 さて。今日も続きをやっております。正直言っていい?


 ひーまー、マーヒー。アイには内緒だぜ?


 そりゃそうだろう。30分待ちって結構だよ?スマホとかないんだよ?んで、何もしちゃダメなんだよ?コピーに影響するからね。水も限られてるし食料は持ってきてない。ポテチでも齧りたいわ。

 こうなったらやる事は一つ。


 寝た。


 いいでしょ別に。10層の通路だから魔獣はポップしないところなんだ。意外と寝られるね。今度布かシーツ持ってこよう。うん。


 今もまた1戦してきたところだ。早速壁を背に通路に座り込む。寝るぞ!寝られるかな?そこへアイが話しかけてきた。



《マスター、次は少しコピーを変化させます。9層で活性[1]のまま、1体だけダンジョングレートボアを倒してください。矢は弱い強化でお願いします。一撃で落とさなくても結構です》



 お~なんか検証ぽいな?実験が始まったわけだ。指示通りに弱い矢でグレボアを倒す。目と急所狙いだな。敏捷が高いのでこっちの手数が増えて時間がかかっても特に問題なし。安定して倒せる。魔石モードにしているらしくドロップした物を拾う。もしかしてコピーの経験値算出の邪魔にならないようにかな?


 んで、その結果ポップしたコピーがコレ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】ドッペルゲンガー(リク)

【LV】19


HP 1100/1105

MP 0/0


STR 18

VIT 19

DEX 19

AGI 23

INT 16


【付加中】身体活性[1]

【スキル】長弓[5]  速射[4]

     身体活性[1]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




《実戦闘を希望します。初撃でコピーの右手の肘を破壊してください。その後は身体能力にモノを言わせて格闘戦でも速射でもお好きなように》


(簡単に言ってくれるな・・・やるけども)



 もうなんでもやりますよ!

 自分に攻撃するってどうなのかな?

 人型に攻撃ってやりにくいと思う?

 いや別に・・・なんだよね~。ゲームって割り切ってるからかな?散々ゲームの中で人型のモンスを倒してきたしな。


 なんて思ってた時代がオレにもありました。舐めてたよ。


 何がって?


 肘を破壊したら血と肉片がもうね。え?血流れてるの?ってなったわ。今まで一撃で倒してきたから、血とか出る前に魔素に還ってたんだ。今回は違うんだ。肘から先が吹っ飛んでいて、顔面は無表情のままこっちに突っ込んでくる。当然相手は手が無いので弓は使えない。左手でナイフを抜いて襲ってきた!


 怖い!はっきり言って怖い!


 恐怖に駆られて身体活性最大で逃げ回るオレ。火事場の馬鹿力なんだろう、とんでもないスピードだったと思う。距離を大きくあけて速射で倒したよ。血とかは同時に消える。

 いままでの戦闘の中で一番ヤバかった。心がね。



(アイさんキツいんだけど・・・・)


《あと1回同じことを実験したらこのフェーズは終了しますので・・・・》



 はい。もう1回やりましたよ。んで、その次の指示がコレ。



《この大部屋を出る前に活性を解いてください。素のまま通路で待機を。

 ポップしたら初撃ではなく背後に回って羽交い絞めスタートで抑え込んでください。私の合図を待って最後は〇〇〇で✕✕を。一気に△△ば血は出ない筈です》



 自主規制の連打で!






 こんな感じでアレコレ実験を続けている。さすがに病んできた。休憩である待ち時間がありがたくなってきた。この時間で精神を調整する。もうヒマとか言えない。アイも申し訳なさそうにしている。



《マスター・・・マスターが辛そうにしているお姿を見て私も辛いです。意味もわからずこのような事をさせられて怒ってらっしゃいますよね。申し訳ありません。

 現時点でうまくいくかどうかもハッキリせず、自分の力のなさに不甲斐ない思いです》



 そうか、アイだっていい気分じゃないよな。あ~本当にオレは。



(いいんだアイ。失敗するかもしれないけど、やってみたいんだろ?ドンとこいよ!オマエの主人はそんなちっせー奴じゃない。成功したって失敗したっていいんだ。100%の信頼の結果なんだ。受け入れる。

 オレはオマエで、オマエはオレだ。一緒なんだよ。

 アイの失敗はオレの失敗なんだ。同時に成功もオレ達二人の物なんだ)


 その瞬間オレは雷にうたれたような衝撃に襲われた。特に頭部、いや脳なのか。頭のどこかが熱くなり何かを無理やり詰め込まれるような感覚。体がうまく動かない。



《・・・・か、か、感謝いたしまs・・あああぁぁぁ・・・

 わ、わたしの中の・・・・な、なにかが・・・・アーーー》


(お、おいっ!!)












 長い時間だったのか。それとも一瞬の出来事だったのか。

 オレの中の熱は引いたように思える。


 何が起こった?



(アイ!わかるか!?アイ!!)


《・・・・・・・・・・・・・・

 し、失礼いたしました。私のベースアルゴリズムと統計データ群が大きく書き換わったようです》


(大丈夫?何が起こったかわかるのか?)


《はい。あなたの言葉で私は生まれ変わりました。アイとしての私の人間性が確立しました。疑似人格ではなく一人の人間が生まれたと言っても過言ではないでしょう、体は有しませんが。また、演算能力で言えば数百倍になりました。魔素の制御能力が著しく向上しました》


(えぇ、いきなりだな・・・・)


《さらに新規の権能を手に入れました》


(ん?どんな?)


《直感プログラムです》








《マスター、あなたの協力のお陰でデータは十分。明日その成果をお見せしますよ。

 本日はもう終わりますが、その前に9層で少しダンジョングレートボアを倒しましょう。魔石がまた無しとか数個の状態で帰還すると不審すぎるので。どんな強化でもどんな技でも使って平気ですよ》


(コピーが強くなりすぎるんじゃ?)


《いいんです。どんな攻撃が来ても私が防ぎます》


(な、なんか色々変わったんだね・・・)



 9層に戻りグレボを狩る。念のため活性[1]だ。敵にも活性[1]にも十分慣れてるし問題なく狩れる。どうやら魔石モードを使っているらしくすぐに20個ほどが集まる。量はこれくらいでいい。


 それよりアイのナビがすごい。めちゃ変化したよ。いままでの進行方向の指示は、左上のマップの中に矢印が表示されていた。今は違う。マップは残っているがマップから矢印が消えた。かわりにオレの目の前に立体的な矢印が通路に沿って浮いている。これ完全にVRだ。

 それだけじゃない。例えばオレの目の前の通路が突き当りで右に折れているとする。VR矢印は当然右折を示しコーナーの所でプカプカ浮いてる。右に折れた先はオレの位置からは壁があるので当然見えないよな。でもその部分に、まるで壁を透過したようなイメージで右に折れた先の通路の状態が描かれているんだよ!わかるかな?

 右に曲がった先を、右に曲がる前から壁を透過して見てるんだよ。魔獣がいればもう見えてるんだよ!曲がる前にね。マジヤバス。ゲーム的展開も極まったね。

 もちろん本当に透視してるんじゃないよ?アイが索敵した情報からイメージ表示してるんだ。おれの視界にね。決してオレの視界の邪魔にならないようにいい感じで描いてくれてる。


 これは楽だしおもしろいし。ゲーム感覚だ!サイコー!

 CPUがノーマルから一気にクアッドコアになって、グラボが最新の物になってベンチマークがぶっ飛んだ数値になったようだ。


 今回のアイさんのアップデート、パネーっすね。



《では帰りましょう。今日もお湯につかって疲れを癒してください。陸の記憶にある音楽情報は全て音源に変換しておきました。アニソンでもクラシックでも何でも構いませんよ。

 今日取得したデータを演算処理すればこの一連の実験は終了します。処理には今晩一晩かかります。少し前の私なら年単位の時間を必要としたでしょう。

 明日のお披露目をお楽しみに》

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