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3日間の最終日。午前中にレベル19になってからさらに数時間続けたけど、さすがに今日のレベルアップは無理そうだ。NEXTが4200オーバー・・・
これを多いと見るか少ないと見るか、人によって意見が別れそうだ。
いままでやってきたゲームのジャンルに依るだろうと思う。古い作品でオンラインではないような買い切り型のゲーム、これだと多く感じるね?どうかな?
逆にオンラインゲームや、サブスク型の物だと『え、たった1日で1LVあがるじゃん』ってなるよね。
念のために言っておくがオレ、経験値100倍補正付いてるそうだからね?課金じゃねーよ?
えっ ヤバッ 実際はこの100分の1?
くっそマゾいなこのゲーム。バランス死んでるし解約秒読み待ったなしじゃね?
ん?考え方が違うのかもしれない。
レベル上げとかNEXTとか言ってるけど、この世界のだれもそれを見えないし感じないしただの幻想であって、勝手にオレらが騒いでるだけ。
オレ達には魔素視があるし100倍だからこそ感じてる現象。
だれもダンジョンを強くなるところなんて思ってない。せいぜい魔石か金を稼ぐところってとこか。だからバランスがどーのなんて考えないな。
《マスター、領軍は軍の鍛錬においてその可能性を検討しています。が、あまりに効率が悪いのであきらめているようです。軍関係の資料にはより少ない活動時間、少ない討伐経験でより強くなれる人間の存在について記述があります。つまりマスターのように補正が付いている人間ですね》
(まじっすか。めっちゃ強い人おるんかな?勇者とか。オレ以外にも魔素みえる人いるのかもな~)
《それはないでしょう。神との面会の記憶では唯一の技能保持者であると宣言されていました。神の発言に不正確さや間違いはないはずです》
(それどこ情報だよ。ウソつかれてダマされてる可能性もあるじゃん?)
《簡単にマスターにチートを与えて転生させるほどの力。それほどの者がウソをつく必要が?私たちはアリに対してウソをついて騙すことがあるでしょうか》
(愉快犯とかさぁ?まぁいいそれよりアイ。基礎ステータス上がってるけど、んん、なんか妙に偏ってない?どういう仕組みなんだ)
《データ不足です。1つだけ言えるのはダンジョン活動していた方が上がりやすいようです》
(び、びみょ~。今後もデータ集めておいて。よしっ今日は切り上げようぜ)
《よいタミングです。時間もマスターのスタミナ面でも》
(あれ?オレ動き落ちてた?)
《毎日視ている私だからこそわかる微細な数値です。が、翌日に疲れを残さないためにもここで終わりましょう》
いつものように突貫で戻る。当然管理ゲートで清算の予定だ。ダンジョンからロビーまでの階段に足を掛けながらアイに聞く。
(ところでアイ、ステータスの活性って言葉なんだけど・・・)
《お待ちくださいマスター。それはまた後で。ロビースタッフの動きがいつもと違います。警戒を》
その警告を受けて強化[2]を、いや活性[2]をかけなおす。平静を装いいつものように残りの階段を上がっていく。
「黒瞬のリク様、お疲れさまでした」
課長補佐さんだ。ってことは会議室案件か。まぁ念のため警戒は続けておこう。
「毎度申し訳ありませんが、ご報告とご相談がありましてご足労いただけますか」
「了解です。手短に願います。また会議室ですか?」
「仰る通りです。こちらへどうぞ。魔石はお預かりします。キミ、台車を!」
近寄ってきた台車に魔石を入れた袋を載せる。もはやとんでもない量だ。アイによると170個だぜ?もうオレじゃ数えることさえ困難だ。持ち運びだって大変だ。
台車がギシギシいいながら運ばれていくのを見届けてこっちはこっちで会議室へゴーだ。
課長補佐さんが椅子に座って切り出す。
「今日の産出量を見て実感しました。あなた様は一日当たり産出量なら国内トップレベル、下手すれば頂点であられるでしょう。感服いたしました。そして感謝申し上げます。このダンジョンは領内でもマイナーでした。今やあなた様のおかげで注目を浴びるまでに」
「自分はやりたいことをやってるだけです」
「確かにそうなんでしょう。ただ注目を浴びた結果、このような要望が参りました」
そう言って課長補佐さんは1枚の書類を出してくる。羊皮紙ではない、紙だ。おそらく重要度の高い書類なのだろう。アイによればこの領の領主の印璽が押してあるそうだ。つまり領主認定ってことだろう。んで内容は?
「どのような内容でしょうか?文字は読めますので見せてもらっても?」
「どうぞ」
ざっと言うとこういう事だ。
お前、つまりオレはなかなかだ悪くない。うちのパーティーに入れてやってもいい。契約してやるからうちの所に来てダンジョンで働け。だってさ。いやここまで酷くは書いてないか。一体誰の要望なんだ。領内の別のダンジョンで活動してる奴っぽいな?まぁどうでもいい。お断る!
「自分はソロが合ってるので。お断りしてください。そもそもこのダンジョン管理ゲート組織としてどう思われていますか?私を放出しても構わないと?」
「いいえ決して。むしろ出て行かれると困ります。ただ探索者の行動、つまりどこのダンジョンに入るかは国法で自由が保障されています」
「なら、なおのこと」
「ええ、わかります。ただあなた様には他には無い特殊事情が・・・単独探索です」
なるほど。探索者の行動は国法で色々規定されてる。さっきのどこのダンジョンに入るかは自由、みたいにな。その中にこんな規定がある。探索者は貴重な人材、かなう限り安全を確保せよ。つまりパーティーを組んで行け、だとさ。このまま突っぱねてソロってるとなにかの制限を領主から掛けてくるかもしれないんだと。
例えばどんな制限?
領主が選んだパーティーに強制参加らしい。この要望送ってきた奴、領主と繋がってるだろ?
あ~めんど~~。領を出ちゃうか?いやいや組合と村に迷惑かかるかもだしな。なんだよ~も~せっかく楽しくなってきたのに!
ああ段々腹が立ってきた。ダンジョン内で魔石捨ててやろう。いやいや常時経験値モードでいいのか。
《マスター、お待ちください。単純すぎです。まずは時間を稼ぎましょう。次のように発言してください。左上にテキスト表示していきます》
(別にテキストじゃなくていいよ、いつもみたいに話しかけて)
《マスターは並列進行が得意ではありません。同時に話しかけると混乱する可能性が。課長補佐の話を聞き、テキストを読んでそれから回答。これなら単一作業の連なりでしかありませんので》
(ボクちんそんなにダメな子じゃないよ、ぴえん)
「課長補佐さん協力してくれませんか?」
「どのような?」
「時間稼ぎです」
そう言ってオレはアイの作戦を見つつ課長補佐と話していく。
他人のパーティーに入るのは絶対イヤ。
自分が選んだメンバーとなら組める。
選ぶ時間が欲しい。
選ぶアイデアは2つある。
1つ目。キールに駐屯している領軍とは一緒のダンジョンに入っているのでダンジョンの中で観察できる。決めたらメンバーとして雇いたい。もちろん領や軍に契約料は払う。こっちの勝手を言うんだから高額でもいい。
2つ目。今のオレのようなパーティーに入る前の探索者に会いたい。面接してメンバーを決めたい。新人でも構わない。こっちも新人だしね。
「このような交渉をなるべく時間をかけて行ってください。軍と領、両方です」
「・・・・・期間の目安は?最終的にどのような形に落とすのでしょうか」
「面接メンバーの数と質によります。最低半年。最終形はまだわかりません。」
「無理です。長すぎます」
「ではこうしましょう。半年経過して決まっていなかったら領軍からの推薦3名を雇います。1回入る毎に軍に金貨10枚相当の魔石を譲渡します。領軍の人員の質は問いません。ダンジョン中はロビーで待っていてもらって結構。これで軍の上の方の人を交渉の味方にできるでしょう?」
「なっ、なにを!1回ダンジョンに入ったら金貨10枚払う?正気の沙汰じゃない!」
「私は今日どれだけ魔石を持ち帰ってきましたか?」
「・・・・・・・・」
「ではひとまず半年。お願いしますよ?それともし管理ゲート組織の紹介でメンバーを採用できたら組織に金貨100枚相当の魔石を支払います。気合いいれて探せますよね」
「・・・・・・・・」
固まったままの課長補佐を残し管理ゲートを後にする。
あ、もちろん換金したよ?この3日間分まとめて言うと税引き後で金貨161枚ね。
わーーーーーお。




