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《自分の魔素()する、に深意を感じます。


 文章の流れ的には、自分の魔素()する、でもおかしくありません。

 『と』が、周りの魔素を変質させることを暗示しているような気がしてなりません。


 光の矢の時もそうです。

 『魔素で矢を作れないかな?』ではなく『矢なしでできないか?』でした。

 むしろわざとらしく嫌味なほどの暗喩です。


 『自分の魔素とする』


 その言葉が出た時、マスターが本質的には既に理解していると感じました。

 ですからマスターの言葉を丁寧に深掘りしてあげれば、自ずと答えにたどり着くハズだと考えたのです。

 自分の魔素と言われたら、自分の魔素とは? と聞き返し、

 壁と言われたら、その壁について問えばいいのです。


 理屈に、また言葉にできていないので一歩目が踏み出せない。

 踏み出してしまえば、驚くほど巧妙に実行してしまいます。

 光の矢の時が良い例です。


 おそらくマスターは直感的、本能的な方面に極めて秀でた性質を持つのでしょう。

 ちょっとした理屈、ささいな言葉一つでキッカケを得て踏み出す。

 踏み出してしまえば、あとは知っての通りです。


 反面、私は論理的、理性的な部分に特化しています。

 お互いがお互いにとって足りない部分を補い合う、そんな理想的な関係なのです》



(オレはいま回復に集中してるのでよくわかりません)


(は、恥ずかしいことをサラッと言わないように、いろいろとな)







(回復は十分だ。このまま7層でグレート続ける?)


《・・・・いえ、下に降りましょう。もう少し下の様子を見ておきたいです》


(確かに先の様子は気になる。マップはいいの?)


《次回で構いません。現在最も効率の良い狩り場です。ゆえに必ずまた来ることになりますので。

 9層まで様子を見て、今日は引き返しましょう。かなり時間が経過しました》


(おっけい、んじゃいこう~! 新層だし念のためまた隠蔽で行く)



 改めて再スタートだ。


 7層からグレートボアだったわけだが、8層はどうでてくるか。

 本命はグレートボアだろう。対抗はグレートボア、大穴でグレートボア、かな。


 正解は?


 グレートボアでした! つまらん!

 つまらんがウマイ。魔石も普通に出てる。ボアの物より若干大きいかな。

 ぐぬぬ、オレ様の経験値が減っている。


 続けて9層。やっぱりグレートボア。うん、飽きた。

 魔素は多めに使うけど遠くから遠隔でサクサク仕留めてゆく。


 もちろん要所要所で階段へ、吸収、全回復だ。

 実は10層への階段も見つけてある。



 10層への階段で休憩している時のことだ。



《マスター、実は10層の情報は入手してあります》


(どうやって? 最高到達層は7って言ってたじゃん?)


《初めてお話しますが、軍のデータによると、ここ以外にも他にダンジョンがあるそうです。この領内にもいくつか存在するとのこと。

 各ダンジョンには共通点があります。10層にはどこも同じ魔獣が配置されており、倒すことで地上への転送機能が利用できるようになるそうです》




 はいはいはいはい。わかってた。


 外とは逆でダンジョン内はこれでもかってテンプレ押しだもんな?


 転送魔方陣キター。イタダキマンモス!


 1層から10層へも行けますね、わかります。




(おいおい、アイさんよぅ。黙ってたな?

 あ~え~て~黙ってただろ? オレが暴走するから?


 ふんっ。


 その時代はもう終わったんだよ。ダンジョンを知らなかった頃とは違う。

 もう学んだんだ。ダンジョンは存在してて、外とは違ってテンプレに溢れてるってな!

 アイに逆らってまで10層に突っ込まないし、他に連れてけとも言わない。


 本当は中ボスやりたいよ?


 でも訓練もあるし、それの目処が立ってからでもいい。

 レベル上げももう少ししたい。中ボスが強かったら死んじゃうしな)


《・・・・少しだけ意外でした。9層まで来て無双できているのに慎重さを忘れていないのですね。

 私が生まれたばかりの頃は、ほとんど感情の動きや心理的な変化は無かったはずなのですが、今感じているコレは『感動』なのかもしれません。


 マスター、あなたに敬意と感謝を表します。


 10層の魔獣について、今は詳しく語りませんが対策は完璧な物をご用意することを確約します》


(感動でもなんでも感じてくれ。それだけで終わらないぜ? 今後もっと色々な感情を味わわせてやるから)


《ふふ。お願いしますね》




 ホッコリしてしまったが、休憩も終わりにして再開する。

 この後はずっと10層への階段を中心にして、グレートボアを狩り続けた。


 相当な数をこなしたぜ?

 アイによるとリポップ関連情報がたくさん取得できたそうだ。

 もちろん吸収訓練も行った。


 最終的にレベルは14へ到達した。

 基礎ステータスも上がっていた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】リク

【LV】14

【NEXT】993


HP 102/560

MP 0/0


STR 34

VIT 35

DEX 32

AGI 33

INT 20


【付加中】身体強化[2]

【スキル】長弓[5]  速射[2]  光の矢[1]

     身体強化[3]  気配隠蔽[7]

【ユニーク】魔素視  AI解析

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 HP=魔素がかなり減ってる状態にも慣れてきた。最初は違和感があったけどね。


 減れば減るほど完全回復の時に気持ちいいんだ。

 なんかぐぁ~~ってきて、その勢いが気分をハイにするっつーか、そんな感じ。


 ただアイがいつも言う。

 今は防御幕が減ってる状態だから、いつも以上に気をつけろってな。

 シールド関連、必要かな? なんか創ってみる? スロットで。


 自分で言って思い出した。

 AI魔法以降、ノータッチじゃん。いいのか? いいか、急ぐこともなし。



 レベルアップを見て帰途につく。避けられないグレートボアだけはやったけど、基本突貫だ。

 魔石がすごい量になっている。

 身体強化しているから遅くはならないが、重い。


 管理ゲートでのやりとりを想像し、少しゲンナリしつつも速度を上げた。







 地上へと戻ってきた。


 オレの姿をすぐ見つけたスタッフは、瞬時に抜かりない笑顔を作ってオレに駆け寄る。



「黒瞬さま。長時間の活動ご苦労様でした。さぁこちらへ」



 定型文を吐きながらも、視線はオレの手にある巾着袋に釘付けだ。

 ここに獲ってきた魔石が入っているであろうことは子供でもわかるからな。


 別に否はない。いつものトレイに巾着から出してゆく。

 さすがに量はすごいぜ?



「すばらしい・・・・少々お待ちください。

 魔石鑑定の魔道具に。黒瞬さまはこちらへ」



 まぁ前回と同じだね。ほんの少しだけ前回より鑑定に時間がかかっているようだ。


 ん~? バタバタし始めたな。なんだ?



《マスター、お忘れですか。最高到達層の記録を更新したのですよ。魔石を見て悟ったのでしょう》


(ちょっと大きさが違うくらいだよね?)


《魔石鑑定の魔道具は精度が高いようですよ。手に入れて一度きちんと解析したいところです》



「黒瞬さま!! どうか別室へ! お話を詳しくお聞かせください。

 君! 会議室を用意して!」




 あ、面倒になりそうだ。

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