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「リクおめぇ、ダンジョンいきやがったな? いくなって言っただろ」



 次の日の午後、書類の提出のために組合に顔を出したらヴィルさんにからまれた。

 おかしい。誰にも言ってないし、この書類だって今から提出するんだ。どうやって知ったんだろう。


 少し考えてバススを見る。



「ボクじゃないっす。

 確かに組合の預託金の計上管理はボクがしてるので、昨日リクさんの預託金額が大きく動いたのは知ってるっす。でもほんとボクじゃないっす。

 組合長は組合員の預託金に不正や不自然さが無いことを確認する義務と権利があるので、そこからじゃないっすかね」



 あせってバススが説明口調になっている。



「はっ、そんなもん見る必要はねぇ。いまや斡旋所の上の方の奴らはリクの話題で持ちきりだ。じっとしてたって情報は入ってくる」


「・・・・なんでそんなことに」


「税金をしこたま納めてくれる、新人で御しやすそうなヒヨッコが現れたんだ。海千山千の奴らはほっとかねぇだろう。オレにもいちゃもんつけてきたぜ。狩猟組合のノルマで縛るなってな。リク様の貴重な時間を奪ってダンジョンに潜る時間を減らすなってな。

 おいリク、組合抜けてダンジョン一本でやってく気なのか?」


「そんな気更々ないですよ。オレは狩人です。ダンジョンは強くなりたくて行ってるだけです。たとえ魔石が出なくなっても行きます。

 あまりに害が大きいようなら拾った魔石はダンジョンに捨ててきますし、かわりにグレートボアをどんどん狩ってきます。それなら狩人だってはっきり言えて、組合だって活性化しますよね」


「お前がそこまで引くことはねぇ。難癖つけられてオレも頭に来てるんだ。ダンジョンに行ってることは業腹だがこの際目をつぶろう。

 よし。リク、お前の納期は月2度でいい。そのかわりボア一択だ。運搬で他の組合員も少し儲けさせてやれ。

 それ以外でダンジョンでもどこでも好きにやってこい。手はださせねぇ。

 でも絶対死ぬんじゃねぇぞ。死んだらぶっころしてやる」



 乱暴な言い方だけど、結局全部オレの希望を呑んでくれてる。

 またノムさんを思い出した。


 うん。ここが好きになれそうだ。



「では一発目、派手にかましても?」


「おぅやれやれ。北の森の主でもやってみろ、ハハハッ」


「詳しく教えてください」


「あぁ、そいつの縄張りはクソでかくてな。他のボアが寄ってこないからすぐわかる。

 まずは他のボアの痕跡を・・・・」



 ヴィルさんに詳細を聞いて情報は手に入れておく。組合長のお墨付きが出たんだ、遠慮はしない。

 他の組合員のヘイトを少しでも下げるために、ヴィルさんのアイデアを採用し、アイにももっと効果的な方法はないか考えてもらった。



《稼ぎは減りますが、飛び切りの方法を考えておきますよ。

 心残りなのは、前回のように誘導による高度な演習にならないことです。

 さすがに今回は人の目につかないところで瞬殺しないといけないでしょう。


 いずれにしてもそれらは次の納期に対応しましょう。まずは明日のダンジョンです》


(もちろんだぜ。最優先はいつだってダンジョン!)






 翌日。帰ってきたよ管理ゲートよ! 待たせてゴメンね。


 時間は?


 朝4時。もうね、子供かと。遠足の日のテンションを超えてきた。

 今回は荷物をちょー絞ってきたよ。めっちゃ軽くなった。いやマジで。

 やりすぎてアイに怒られるかなと思ったら、



《悪くはありません。身軽になればなるほど敏捷性が上がります。より攻撃を受けなくなるでしょう。いまのマスターの防御壁を抜けてくるものが、そうそうあるとは思えませんが。

 光の矢は頻度を下げましょう。トータルで見るとややコスト高ですので。今まで通り矢に強化を纏わせるのがベストです》



 なるほどね。よしいこうか。

 昨日の突貫の練習を生かして4層まで突っ切ろうぜ。序盤の層は領軍にまかせた。





 朝早すぎて、領軍がまだいなかった件。昨日の練習はいったい・・・・

 いやいいんだ。別にいいんだ。


 領軍はいなかったが、はやく4層に挑戦したかったので結局突貫した。

 ウルフは完全にスルーされた模様。

 初の4層だ。うん、あまりドキドキしないな。



(4層の獲物って?)


《伝えてもよろしいのですね? ボアです》


(北の森のグレートボアの下位ってことかな・・・・じゃさっそく索敵頼む)


《外界のボアとは名前が一緒なだけで別物、脅威度ははるかに高いと思われます。とはいえマスターの敵ではないでしょう》



 獲物が変わっても慣れた作業だ。索敵し、見つけ、狙い、討つ。

 矢の威力調整も上手くなってきた。爆散させず、かといって2射目が必要になるほどは弱めない。何度もやっていると効果的な方法を発見する。


 ヘッドショットだ。


 頭部を狙えば貫通しなくてもいい。その分威力を抑えられる。

 うんうん、ローコストだ。すばらしい。



(なんかさ、ウルフより弱くない? 経験値少ないんじゃ)


《いいえ。魔素塊はウルフに比較すると大きいです。

 ボアの場合、的がウルフより数倍大きく、かつ敏捷も低いので、マスターにとってはものたりないほどでしょう。ただしパワーは断然上なので、攻撃をもらえばただでは済みません。また突進力も破壊的です。領軍がこの層に来ないのも頷けます。

 トータルで見てウルフより格上でしょう。もう少しボアに攻撃させてあげれば、もっと正確な数値が算出できるのですが、マスターはすぐ倒してしまうので。

 魔石が落ちましたよ》


(お~ほんとだ。どうかな? E級?)


《E級の実物を観測していないので断定はできませんが、おそらくF級です。

 大きさが少し違いますね。こちらの方が大きいと思われます。査定がどうなるか気になります》


(ふむ。まぁ流れにまかせる。金は問題じゃない)


《承知しました。さらなる下層へ。

 残念ながら下位種だけあってマスターには物足りないようですし、マップを埋めるのはもう意味がありません。最速で階段予想地点へ向かいます》


(あぁそうしてくれ)



 アイがデータを不要と判断するほどの時間の無駄なようだ。よっぽどだね。

 オレに否はない。突き進もう。


 そして5層、ボア2匹が混じり始める。うん、大丈夫。がっかりなんてしない。

 アイは無言で最速のナビ。


 そこに思わぬ朗報。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】リク

【LV】11

【NEXT】278


HP 250/321

MP 0/0


STR 27

VIT 28

DEX 28

AGI 28

INT 19


【付加中】身体強化[2]

【スキル】長弓[5]  速射[2]  光の矢[1]

     身体強化[3]  気配隠蔽[7]

【ユニーク】魔素視  AI解析

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 まさに砂漠の中のオアシス。一服の清涼剤。

 この感激が頂味わえるなら、どんな苦行にも耐えられる。



《マスター気が付きましたか?

 いつの間にかステータスも上がっていますよ》




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】リク

【LV】11

【NEXT】278


HP 251/321

MP 0/0


STR 5(←NEW!)

VIT 6

DEX 11

AGI 11(←NEW!)

INT 13


【スキル】長弓[5]  速射[2]  光の矢[1]

     身体強化[3]  気配隠蔽[7]

【ユニーク】魔素視  AI解析

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 いやっふぅぅぅ~~。


 アイによるとAGIはレベルが上がったタイミングで、STRは別のタイミングだったそうだ。意味はわからん。

 さすがにNEXTが増えてきたな。これははやく強敵に会いにいかないとだ。



 どんどん進んでいる。


 5層を終え、6層は予想通りボア3匹混じり。3匹の時は通路が厳しいときがある。並ばれるとね。3匹ならんで突進してくると避ける隙間がない。


 ぼくちゃん大ピンチ!?


 いいえ余裕でした。身体能力にまかせてボア達の頭上を飛び越えてやりました。

 すれ違いざまに頭上から撃ってあげます。紳士のたしなみですね。

 頭上を飛び越えるより、壁を1回蹴って三角跳びした方が早いことにあとで気が付いた。


 そもそも飛び越えるより撃った方が早かったか。



 そして7層。はたして状況は動くのか。

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