記憶を消して異世界生活またプレイ
「よしクリアー」
徹夜で好きな新作RPGドラドラクエストズを全クリして爽快してきもちよくなっていた。余韻に浸っていると時計に目線が動く、学校の準備をしなければいけない、軽くため息をついていて力が出ない
記憶を消してプレイしたいとはこういうことだよなと考えながら部屋から出ようとすると親父が大きな声で起こしてきた。
「にいちー!」
神父の声とは思えない大きな声で俺の名前を読んで来て部屋に響き渡る。
「はいはいすぐ行きますよっと」
部屋から降りると、丁重に朝飯が用意されていて花柄の可愛いエプロンを付けながらお玉を持った金髪の親父がニヤリと笑った。
「ゲームは構わんがおめぇ学校遅れんなよ」
「わかってるよ」
適当な挨拶を済ませて朝飯を手早く平らげた。良い父だ。でも本当の父親じゃない教会の前に昔捨てられたのを拾ったといつも笑って説明してきていたからなれたもんだ。例え血が繋がっていなかっても俺の親父だと思っている。
「行ってきます」
「おう行ってこい」
にしても眠い、徹夜のゲームが効いている。学校ついたら速攻寝てやると心に誓う、俺の高校は頭も対してよくないヤンキーが多く偏差値低いところなので問題はない。更についてることにヤンキー達は絡んで来ないのだ。それなりに不良高校で有名でビビっていたけれどついてる。
「にいち君おはよう」
生徒会の土田さんだ。長い髪の毛を指先で触りながら挨拶をしてきた。この人の前で神父の息子ながら授業サボろうと考えてしまいすみません、しかし彼女は何故かいつしか定期的に挨拶をしてくるようになった。別に俺は陰キャというより外交的かもしれないけれど挨拶されるような見覚えがない、まさか俺に惚れていたり…なんて
「なにニヤニヤしているの?」
「いやなんでも!」
いや絶対ないなと首を振る。
「そういえば今日の体育サッカーよ」
随分と話題が変わるなと体育の話に頷く。
「いつもぼんやりしてるのに、にいち君はスポーツだけは桁違いよ」
両手をブンブン振りながら説明を必死にしてくる。
かなりオーバーなリアクションで話してきてさすがに照れてしまういつも体育に夢中でそのあとの事や高校の事は忘れっぽい性格だから人から話されるのは嬉しい
「ありがとう、成績優秀な土田さんに褒められると嬉しいよ」
土田さんの顔を見て伝えたら顔を赤らめて教室に入っていった気がした。
朝の予想通り授業の話は耳に入ってこず教室の一番奥の窓席いわゆる主人公席で窓を見ながらウトウトしていた。ただ少し眠りに入ったあと大きな爆発音が外から聞こえた。まずは校内の問題ではなく一安心教室のみんなもざわめいて授業どころではない、そりゃそうか爆発だもんな外見るわ。そう思いつつもう一眠り入ろうとすると
「燃えてね?教会燃えてるよな」
ガヤの声が静かになった。いや自分の脳が最悪の結果以外の情報を遮断した。数秒たった瞬間肩を先生に叩かれた。全てを察して教室から飛び出していた。
「朝は親父は目玉焼きとウィンナーやいてくれていたんだ…それから…」
高校を出る前に心配の声をかけられたが覚えていない、今はただ早く家に帰ることしかない、20分かかる道のりを生き荒く足を運ぶ、煙が上がって来てるのがみえた瞬間心の底から叫び声が燃え上がり協会の窓をぶち破っていた。
「がはっ!は?」
ガラスの破片が体に刺さったのと今起きたできことにこんらんしたが、ハッと周りを見渡す。
協会の中は火の海になって親父倒れている。
「親父ー!意味わかんねぇけどすぐ助けるから」
「それよりお前学校からここまでくるのにどんな記憶使った」
弱々しい声で癇癪を起こすように聞いてくる。
意味がわからない状況で助けたい気持ちの方がおおきいのに親父は何を優先してるんだ。
「俺の名前は言えるか、自分の名前は朝飯何食べたか昨日してたゲームは」
親父は混乱してんだと近くによって担ごうとする
「だからわかるよ、全部わか…ゲームは」
今朝クリアしたばかりのゲームの内容がわからない
「ゲームの内容なんだな良かった」
そう言って親父は安心している。
「しかしここからは出ない」
「は?!どういう状況かみてみろよ」
思わず怒鳴りつける
「わけがある。お前は今からどんな事があっても大切な記憶だけは忘れてはいけない」
うつ伏せでよく見えなかったが親父からは血がでている。
「記憶が全てお前を導いてくれる。大事なもんは取っとけ」
自分の拳を握りしめたまま思わず涙が落ちそうになったとき
「俺は死なん、お前も死なせん、そして外にいる人達も」
神父の手は床に触れて円形術式が展開され十字架に街全体を飲み込んだ。
「にいち愛してる」
光の輪に包まれて視界と意識が遠のいていった。




