林檎と手毬と二人の異人
「ああ」「パリの街かどで売られる焼き栗 あのおじさん元気かな」
コロコロ・・
「あ・・・」
「おや!」
二人の足元に転がってきたのは 林檎がひとつ
「あ! あの!」顔を真っ赤にして、地味な着物と眼鏡をかけた少女が立っている
少女は思った
まるで、物語に出てくるような 素敵な方たち
淡い茶髪のウエーブの髪 緑の瞳の二十から三十代前くらいの青年
それに 私より少し年上の少年の方は 黒髪に青の瞳
「・・・・・」じっと観察してしまう少女
黒髪の少年さんの方は 丸眼鏡をかけているけど 顔立ちは綺麗ね
どこの国の人だろう? あ、日本語は・・
「大丈夫ですか?可愛いマドマワゼル お嬢さん」
「御嬢さん?」にっこりと流暢な日本語で 二人は話しかける
「あ、あの・・」わたわたと慌てふためき 戸惑う
「お嬢さんの林檎ですね はい、どうぞ」「有難うございます」
林檎を手渡す ジェローム達
「ボンジュール 私達は遠い異国のフランスから来ました どうぞ 宜しく」
「可愛いマドマワゼル」ジェロームはウインクを一つ
「は、はい」真っ赤になる少女
「今度からは林檎に逃げられないようにしないとね ふふ」




