企業は誰の物
経済的にも法律的にも、企業は株主の物である。だからといって経営陣や従業員や取引先や下請けや近隣住民や消費者の人権を無視して良いわけではない。
経営陣はカネ転がしばかりしている投資家や、逆に口うるさい投資家を嫌がる。せっかく一所懸命に経営しているのに不当に空売りして株価を下げたり、分単位で売買する投資家が冷淡に見える。逆に株主総会や投資家問い合わせ欄にごちゃごちゃ文句を言ってくる投資家も煩わしいだろう。
更に労働者にとっては職場をカネ転がしの玩具にされたり、逆に分かったような事を言われるのは人権侵害に思える。一部の労働者が資本主義を嫌って社会主義者になるのも分かる。
しかし、現代では労働者だって投資家になり得るし、経営陣だって覚悟の上で上場したのだ。投資家が企業の所有者である事を経営陣や労働者はそんなに嫌がってはいけない。
逆に言えば投資家も企業の所有者として株式投資に責任を持たなければならない。社会的な責任は大きい。そもそもカネ転がしの為であっても、ファンダメンタル分析とテクニカル分析をしっかりしなければ儲からない。何も考えずに株式を売買するのは企業の経営陣や従業員にも失礼だし、儲かっている他の投資家に嘲笑される。
一昔前までは日本の株は百株一単位でしか買えなかったけれど、現在では単元未満株で一株から買える。一株につき二千円の企業の株は珍しくないし、探せば千円以下の企業の株もある。
まずは自分が買える範囲の資金で買ってみる。一株からだけでも大きな一歩だ。少しずつ売買しながら経験を重ねれば良い。貧しくても工夫次第でいくらでも労働者も投資家になれるのだ。
簡単に儲かるわけがないし、むしろ損をする可能性が高い。確かに株式市場で稼ぐのは決して簡単なことではないけれど、労働だってリスクもコストも有る。企業が倒産して職場が無くなることも有れば解雇される事も有る。重労働長時間労働で心身を痛める場合も有る。
どの方法であれ、カネを稼ぐ事は簡単ではない。財務省の国税局は簡単に税金を徴収するけれど。