新調
白いカーテンをさらさらと開いて
青い朝をたんねんに取り込んで
ひよこは黄色いままオレンジの歩調をならす
リンゴは私に絵画を魅せて
テーブルの脚からはほのぐらい影がのびる
硬化した金曜日の
まだコトコト煮えるのをやめない出来事の終始
運河のようにゆるく延びている私のベッドルーム
黒いマネキンを思い思いに躍らせてみて
やっと飲み込めたきのうの睡眠
てのひらにはあつい結晶とかおりだま
あまくなった酸素がくすぶったり消えたり
ゼラチンのグミの輪郭をゆびでなぞれば
いくえにも深い私のあした
いくえにも深まる私のあした
こころにはみずうみがあって
みんな舟をうかべてるんだって
その舟の旅は
かこくなんだって 血がにじむくらいに
でもみずうみは
舟をうかばせるためだけに にがい水をためている
私をのせたちいさい舟は
今夜どんな滑稽な旅をするのでしょう
いくえにも深い私の旅路