08 コンティニュー
08 コンティニュー 更新しました。
話の構成上、短めになっております。
ここはどこだろう? もしかして、天国……?
天国はあくまでも比喩表現に過ぎない。
自覚した時には、私は見知らぬ花畑の中にただ一人立っていたのだ。
花畑は遠く、どこまでも遠くまで広がっており、終わりを想像するのはとても難しかった。
花畑の話はさておき、まずは状況整理をしたいところなのだが、困ったことが一つ。それは、私自身どうしてここにいるのか全く覚えていないのである。
凄く、物凄く大事なことがあった気がするのだが、全く思い出すことができない。無理矢理にでも思い出そうとすれば、拒絶するかのように思い出すという行為を封じられてしまう。
分かっていることは、名前も知らない白色の花が凛といて、とても綺麗だということだけだった。
さて、私はこの後どうしたらいいんだろう……。あれ、そういえば私、声出てなくない?
試しに「バカヤロウー!」と大声で叫んでみるが、やはり声は出ていないらしい。
声が出せない世界って、普通に考えてやばくない?
そんなことを考えていると、私の目の前にスッと一筋の白い光が現れ、やがて光は人の形となって私と相対するように地に足をつける。
髪もなければ瞳もない。文字通り人の形をした光の結晶だった。
あなた、どうしてここにいるの?
人の形をした光が穏やかな声調で話しかけてきた。さて困った、私喋れない。
というか、口もないのにどうやって喋っているのか不思議でしょうがない。光の向こうに誰かいるのだろうか。
どうしたの、応えてはくれないの?
悲しそうに光は言葉を紡ぐ。とりあえず、ダメ元で喋ってみるか。
あ、あのー。自分がどうしてここにいるのか全く覚えていなくて……。
ようやく……。ようやく話してくれたね!
途端、光は嬉しそうに言葉を放つ。表情は分からないが、ぱっと明るくなったのが容易に想像がつく。
てか、声が出ていないのは変わりないのに意思疎通ができるなんて本当に不思議な世界だ。
大丈夫だよ。あなたが元の自分に還るまで、私がちゃんとサポートするから。これはあなたの——————いいえ、私たちの物語だよ。
その瞬間、私の意識はプツンと途絶えた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
体調も良くなったので、これからも執筆作業を頑張ります。
今後とも、よろしくお願いします。