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超能力を覚醒させよ!  作者: うちよう
1章 コンティニュー
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07 《UNKNOWN》の実力

07 《UNKNOWN》の実力 更新しました。

ついにバトルシーン入ります。少しでも楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。

 彼女に与えられた使命はただ一つ。契約者を守りながら青年を——————《色欲執事(アスモデウス)》を始末することだ。

 《UNKNOWN(アンノウン)》者同士だからこそ、一方的に蹂躙することができない。

 だが、今の彼女に敗北するという未来を想像するのは難しすぎた。


 「実に厄介ですね、《暴食天女(ベルゼバブ)》の力というのは。『現実崩壊(リアリティ・ブレイク)』の術が全く通用していないではありませんか」

 「フフッ。『全捕食者(オールイーター)』の効果で、対象に向けられるあらゆる魔法は無力化されてしまうんですよ。ごめんなさいね、優秀な能力で」


 小馬鹿にするように彼女は嗤う。

 確かに、戦況は彼女が優勢かも知れない。

 だが、話は簡単だ。彼女相手に魔法が通用しないのであれば、物理攻撃で攻めればいいのである。

 そして青年は、地面を力強く蹴り、一気に彼女との間合いを詰めた、のだが——————


 「——————おや?」


 気がついた時には、彼女から数メートル離れた建物に身体を打ちつけていた。

 建物から身体を引き剥がした途端、鈍痛が青年の身体を襲う。

 

 「これは、何かしてくれましたね?」


 鮮血の羽衣(ベール)を靡かせながらゆっくりと近づいてくる彼女に青年は問う。

 彼女の初動が全く見えなかった。『予知(ビジョン)』が外れたとでもいうのか? いや、数手先といえど『予知(ビジョン)』が示す未来が外れるわけがない。

 そう、彼女は動かずして青年を吹き飛ばしたのである。

 だがどうやって? 《暴食天女(ベルゼバブ)》の能力はあらゆる能力を喰うことによって無力化する力のはず。その他の能力が使えるなんて、青年は今まで聞いたことがなかった。


 「フフッ。どうしてって思っているでしょう? あなたは考えていることが顔に出やすい方のようですね。これ以上に戦いやすい相手はいませんね」

 「……わざと顔に出しているのがまだ分からないのですか?」

 

 そして次の瞬間、彼女の腕が宙を舞った。

 突然の出来事に多少驚いた彼女だが、その訳をすぐに悟った。


 「まあまあ、死体に魂を吹き込んで操るなんて趣味が悪いですね」


 そう、青年はここへ来るまでに殺してきた兵士たち数十人をすでに操っていたのである。

 『人形操主(パペット・マスター)』——————魂無き物に魂を吹き込み、人形のように操る能力だ。

 彼女はこの力に侵された人形兵士の一撃を受けたのである。

 目にも止まらぬ速さで落とした腕を拾い、青年と人形兵士たちから距離を取る。


 「油断大敵ですよ。まあ、あなたが不意打ちに弱いのは先ほど腕を切り落とした時に知りましたから」

 「フフッ。随分と愉快なことを言うのですね。不意打ちに強い者なんていないでしょうに」


 そう言いながら、彼女は切り落とされた腕を元の位置に付けて治癒させる。十秒も経たずして腕は完全治癒されていた。

 その光景を目の当たりにした青年は、自身が数時間前に彼女の腕を切り落とした時のことを思い出し、彼女に向けて笑みをこぼしながら言葉を放つ。


 「……なるほど。《暴食天女(ベルゼバブ)》の能力はあくまで喰らうことで魔法を無効化することに特化した能力。しかし、喰らった魔法エネルギーがその後どうなるのか考えもしませんでした。喰らう行為があるのならその反対も存在する。それが私が吹き飛ばされた理由ですね」

 「フフッ、よく分かりましたね。まあ、さっきのは体内に溜め込んでいたエネルギーを放出しただけですけどね。回復の原理もスキルから魔法という一般的な法則を、魔法からスキルに逆変換しただけですよ?」

 「つまり、自分の攻撃魔法で回復した、と。正気の沙汰ではありませんね」


 《暴食天女(ベルゼバブ)》ならではの偉業である。普通そんなことすれば、敵からの攻撃魔法を受けた時と同じようにダメージを負ってしまうのだ。

 

 「フフッ。さて、お話はこの辺りにしておいて、まずは兵士さんたちを皆殺しにしないといけませんね」

 

 そう言って彼女は、『全捕食者(オールイーター)』の能力を付与した魔法弾を兵士たちに向けて撃ち放った。

 攻撃を受けた兵士たちは次々に倒れていき、やがて戦況は彼女と青年の一対一に戻る。

 

 「……さて、そろそろ決着をつけましょうか」

 「ええ、私も同意見です」


 そして彼女は、青年に向けて魔法弾を放った瞬間、全身の血の気がスッと引いていくのが分かった。

 放たれた魔法弾は青年に届くことなく、ちょうど中間地点で凄まじい爆音と共に打ち消されたのである。

 砂埃のせいでよく見えないが、今の彼女には頭の中で最悪の未来を否定することしかできなかった。

 

 「そんな、そんなこと……ッ!」

 

 次第に砂埃が晴れていき、やはり着弾地点には守るべき契約者の姿があった。





最後まで読んでいただきありがとうございます。

《UNKNOWN 》たちの戦闘シーン、いかがでしたでしょうか?

勢いで執筆した部分があるので、日本語になっていなかったらすみません……。

引き続きよろしくお願いします。


※体調不良のため、もしかしたら明日は休載してしまうかもしれません。

体調が良ければいつも通り投稿します。

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