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婚約者を守ろうとしたら寧ろ盾にされました。腹が立ったので記憶を失ったふりをして婚約解消を目指します。  作者: しろねこ。


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第25話 次なる課題

 婚約解消の話は終わり今度は王家からの補償についての話し合いをする。


 ある程度の雛型は出来ていたけれど、ローシュの個人資産を慰謝料から外す旨と、リヴィオとポエットの雇用先が変更される。


(ローシュは気づいていないけれど、この二人は優秀なのよ)

 リヴィオは剣の才もあるし、真面目な性格から人望も厚い。

 ここにいる騎士団長のお気に入りという話もある。


 娘と結婚させ自分の後継者にしようとしているらしいが、娘可愛さに未だその話を出していない。


(その前に既成事実を急がないと)

 小さい頃から一緒にいるのは私なのだから、他の令嬢にあげたくないわ。


 ポエットはこの前の襲撃でも活躍したが、侍女と護衛を兼ねている。


 戦える女性がまだまだ少ないので、このように強い女性はとても貴重だ。


 元々ローシュの為にということで、幼い頃より侍女として、そして護衛として育てられたポエットの、代わりになる様な人材はいない。


 記憶を失くしてから二人は私の側にいてくれているから、ローシュの側には別な護衛や侍女がいるそうだが……私は腕前は知らない。


 とにかく側にいて疲れない者として選んだそうだから、今は良くともきっと後でローシュは苦労する。


 忠臣と言うものは時に主の間違いを正さなくてはならない。

 そのような場合に果たして彼らは主を正しい方へ導いてくれるかしら。

 それとも誤った方へと進ませるのか……


 先が気になるところね、私に迷惑がかからなきゃいいのだけど。






 話は終わり、やっと帰路へとついた。


 私は清々しい気持ちでいたけれど、お父様とお兄様は浮かない顔をしていたわ。


 まぁ娘や妹の幸せのためとはいえ、表立った王家との縁は切れてしまったし、ローシュにも制裁は加えられなかった。


 そして婚約者のいなくなった私の新たな婚約者選びもある。


 暫くその事は考えなくていいと言われていたが、無論もう決めている。


 リヴィオとの婚姻を是非にと嘆願した。


 勿論全方位から反対された。


 リヴィオ自身からも彼の実家である子爵家からも反対の声が上がる。味方になってくれる者は居なかったが、私はごねた。


「記憶もなく顔に傷のある私に優しくしてくれたリヴィオが良いの」

 私は強く訴え、時には涙し、時には部屋に引きこもったり。

 ちなみに顔の傷は、記憶が戻った(振りをした)時に自分の魔法で治すつもりである。


 治癒の魔石を使える者に治してもらうという手もあるが、高額だし綺麗に治してもらえるかの保証もない。


 だから断り続けているし、虫よけにもなる。リヴィオの妻になれないならこのままでいてもいいかも、とまで思ってしまった。


 周囲は陥落したのだが、リヴィオだけが断り続けている。

 このままでは騎士団長が婚約話に割り込んでくるかもしれないと危惧し、とうとう私は最終手段に出た。


 リヴィオと真正面から対峙して、落ちるまで逃さないと決めたのだ。


「リヴィオは、私が嫌い?」

 うるうるとした目で見つめ、彼の良心に訴えかける。


「そのような事は、ありません」

 目を逸らされるものの、手を握りこちらへと意識を向けさせる。


「では私と結婚して。そうでないと私、また好きでもない人と婚約させられてしまうから」

 私ははらはらと涙を零し、泣き落としを敢行する。


 こうしてリヴィオの前で泣けば、彼は大概の言う事を聞いてくれるのだ。


 リヴィオが私を恋愛対象に思ってなくてもいい、とりあえず頷かせて後からでも惚れさせるつもりだ。


 他の女性に靡く前に。


「俺はしがない子爵家の次男です。あなたを支える度量も頭脳もない」

 そんな事はない。

 彼はローシュの代わりに頭を働かせ、護衛以外の仕事もしていた。


 私に教えるために寝る間も惜しんで勉強をしていたのも知っているし、人望も度胸もある。


「そのようなものは求めていませんわ。私はただリヴィオと共にいたいのです。あなたが離れたらと思うと、それだけで胸が張り裂けそうなの」

 そう言ってリヴィオの胸に飛び込んだ。


 支えてはくれるが、抱きしめてはくれない。


「エカテリーナ様、いけません、このようなところをもしも他の人に見られたら、あらぬ誤解を招いてしまいます」

 いや、ばっちり廊下の護衛と侍女に見られているわ。

 あとポエットだって部屋の中にいるし。


 まだ婚約もしていないのに二人きりになれるわけがないから、扉は開けてあるもの。


(実はかなり動揺してるわね)

 その事も頭から抜け落ちるなんて、平静を保てていないという証拠だ。


「誰が誤解をするというの? 皆私がリヴィオを好きだとは知っているわ」

 だって見ていても誰も止めに来ないもの。


 誰も咎めることなどしないし、こうしていても何も言われない。それは応援していることに他ならない。


 ほら、ポエットなんて気配を殺し、壁と同化してくれているわ。


「お願い、リヴィオ。私の事を受け入れて頂戴」

 そう口にしリヴィオの胸に顔を寄せれば、体が大きく動き、心臓の鼓動がますます早くなっているように思える。


(お願い、もう断らないで)

 さすがに断られ過ぎるのは心が辛い。


 祈るような気持ちで目を閉じた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] リヴィオとポエットはローシュに仕えてた時に、 王室に仕えているのにも関わらずローシュの顔色を見ているだけで 誤った方向に進む第ニ王子を正しい方向に全く導けてなかったので 優秀?と言われ…
[一言] や、もう落ちるだろ(笑)
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