~釣り勝負~
~釣り勝負~
僕は準備万端の竿を振って川へラインを投げ込んだ。
「う~ん、この感触、まさか異世界で釣りができるとは思わなかったよ、幸せ~」
そうしてしばらく仕掛けを流していたらついに当たりがきた!
「おっ! きたかっ?!」
「ユウト、魚釣れそうですか?」
僕の動きを見てエレーナが聞いてきた。
「うん! 今当たりらしき反応があった!」
「アタリ?」
「そう、魚が仕掛けに食いついたときのことを当たりって言うんだ、それがきたっぽい!」
「じゃあそろそろ魚を焼く用意も始めましょう」
と僕がエレーナに釣りのことを話してると、僕から数メートル離れた川辺でアルがなにやら川面を覗いていた。
「何してるのアル? 釣りしてるんじゃないの?」
「内緒だよ~、エヘヘ」
「何するつもりだか・・まあいいや、僕はこの魚を釣りあげるのみ!」
川面の浮きの動きをじ~っと見てると、ついに、
「喰ったッ!」
魚の反応にあわせて竿を立てるとかなり重く、竿が折れそうなくらいにしなる!
「グッ! こッ、これってヤバイくらいの大物かぁ~っ!?」
リールが軋みラインが思った通りに戻せない!
ラインが切れそうになるギリギリで魚と格闘すること数分。
「ヤバッ竿がもたないかも!」
それでも人間界で友達から教えてもらった釣りのテクニックを駆使してやっとのことで大物を岸へ釣りあげた!
「やった~!! メッチャデカい! こんなデカいの初めて釣ったよ! 何センチくらいあるかな?」
と僕はこれまで釣ったことがないくらいの大物をゲットできて喜んでいると、そんな僕の脇でニヤニヤしながらアルがこっちを見てた。
「なんだよアル?」
「ユウトが魚と遊んでるうちにもう私は2匹も魚捕ったよ、ほら」
「えっ?! 2匹・・捕った?」
「は~い! アルは2匹捕ったよ! スゴイでしょ~♪」
2匹捕って得意げのアル、笑顔があふれてるアルはホントに可愛い^^
「でも釣ったじゃなくて、捕ったってどういうこと?」
その僕の疑問になぜかタミーが答えた。
「アルはキャットピープルよ、キャットピープルのアルにしたら川魚を捕まえるなんて楽勝なのよ、ユウト、キャットピープルをなめちゃダメよ~」
タミーは人さし指を立てながらなぜか自慢げだった。
「そうか、アルがキャットピープルってのを忘れてたぁ・・・アルは魚捕りは得意だったのか~、だったら早く言ってくれよ」
すると今度はエレーナが笑顔で。
「でも、ユウトも釣りを楽しめたようですし、よかったのではないですか、しかも魚が3匹も捕れたし今夜は魚を遠慮せず堪能できますね」
結局アルとの釣り勝負は2体で僕の完敗に終わった・・・
でも、その3匹も魚が釣れたということで、この夜はみんなで魚をおなかいっぱい食べてぐっすり眠ることができた。
エレーナ、タミーの結界術の効果もあってか朝まで外敵の襲撃などもなく平穏な夜だった・・
次は勝つッ!!
昨日に続いて今日もお話を投稿できました!!
読んでくださっている皆さん、ありがとうございます。
よろしければ感想なども頂けると嬉しいんですけど、厚かましいですしょうか^^
また明日も次を投稿できるよう頑張ります!!




