~見えない敵と戦う方法は?~
~見えない相手と戦う方法は?~
僕たちが進む先で数人の人が何かと戦ってるのが見える、しかし、その相手がまったく見えてこない、そんな状況に徐々に近づいている僕たち・・
アルにはかなり早くからはっきり見えてる状況が、近づくにつれ僕にもハッキリ見えてきた、アルの言うとおり、数人の人が剣や槍、弓矢などを手に何かと戦ってるようだけど、その相手が見えない、でもその人達は見えない敵としっかり戦えてるようでもある。
「見えないのに戦えてる、どうなってるんだ?」
僕がその光景に違和感を持っているとエレーナが聞いてきた。
「ユウト、あの相手は邪魂ですか?」
僕は相手が邪魂かどうかを確認するのを忘れていた。
「あっ、そ、そうだった! あの相手は・・」
僕はエレーナに言われて見えない相手を注視した、するとさっきまで見えてなかった相手がしっかり青い光を放つ物体として認識できるようになった。
「青い光! 見えないけどあそこにいるのは邪魂だよッ!」
「やっぱりだわ、それなら私たちの獲物ね」
僕の能力で相手が邪魂と確定されるとタミーとアルは俄然やる気が出てきたようで、馬車の中から、屋根の上へ飛び移って剣を構え戦闘姿勢になった。
「今回はギャラが倍額だったよね、アルいつも以上に頑張っちゃうからね!」
「私も倍額のギャラを絶対貰うわっ!」
二人とも倍額ギャラのためとはいえ、いつも以上に鼻息を荒くしてる、まぁその気持ちはわかるけど、ちょっと前のめり過ぎなんじゃ・・・・
「二人とも、今回の相手は実体が見えないんだから慎重にね」
僕がそう注意を促すと、めんどくさそうに返事をかえしたけど、アルはイライラしてるようで、僕に突っかかってきた。
「そんなこと言われなくてもわかってるよ、ユウト!」
そんなアルを見てエレーナは冷静な口調で、妹に諭すようにアルに告げた。
「アル、あまり急ぎ過ぎると危険ですよ、今回の相手がどんな能力を持ってるのか見極めてからでも遅くはないです」
エレーナからそう言われてアルもちょっとだけ冷静になったのか、尻尾の膨らみ方が落ち着いてきた。
「アル、ちょっと気合い入れすぎちゃった、クールダウンするネ」
少しづつ邪魂に近づいてる馬車、邪魂と戦っている人の中の数人が僕たちに気づいたようで、大声で僕たちに近づくな離れろと指示してきた。
それに答えるようにエレーナが僕たちのことを伝えた、
「私たちは邪魂狩りのパーティで、私は巫神エレーナ、この仕事を受けてきました」
さらにタミーが付け加えるように言った、
「私たちに任せて、あなたたちこそ避難したほうがいいわ」
すると邪魂と戦ってるグループの長らしき男が笑って返した。
「バカ言うな! 俺たちはこの帝市カイエンの警備部隊だ、逃げるなんてことはメンツに掛けて出来ねぇゼ!」
「あらあら、逃げ出したいくせに中途半端なプライドが邪魔してるのね・・」
タミーはその返事を聞いて、あきれちゃうってゼスチャーを混ぜてつぶやいてる。
「では、私たちも皆さんと共に邪魂を退治することにします、よろしいですね?」
エレーナは警備部隊と名乗る者たちと共闘することを提案、向こうもそれならオーケーと了承してくれた。
さっそく僕たちは邪魂を退治するための行動をと思ったんだけど、今回の邪魂は
その姿をしっかりと目で認識できない相手だ、これはまず相手をしっかり目で追える形にする必要がある。
この点は警備部隊も同じようで、彼らは見えない邪魂を見えるようにするため、絶えず地面の砂や土を邪魂にかけて邪魂の輪郭を視覚化する作戦をとっていた。
「あれじゃずっと砂をかけ続けてないとダメだ、それに砂が掛かった瞬間しか見えない、危険すぎる戦法だよ」
そう言ってる間も、警備部隊のメンバーの一人が邪魂に捉えられ、食われてしまった。
「えぇ~! あの邪魂、人を食べちゃったヨ~っ!? 不味そ~」
「あの邪魂、グルメじゃないわね、私たちも食べられないよう注意しましょうネ」
そんな状況にタミー、アルは半分ふざけたリアクション、女子らしからぬ余裕、頼もしいかぎりです・・
今日もいつものように更新できました~^^
いつも読んで下さってる皆様のお陰でモチベーションが
下がることも無く、なんとか更新を続けてこれています、
改めて御礼申し上げます、感謝です。
今話はちょっと長めになっちゃいました、ゴメンナサイ・・
では、今話も次話もよろしくお願いします!!




