~初実践!お姫様だっこ~
~初実践!お姫様だっこ~
いやぁ~、不用意にお姫様だっこなんて言っちゃったもんだから、エレーナがへんな反応を・・・
エレーナは初めて聞いた「お姫様だっこ」に興味を示してるけど、さすがにエレーナをお姫様だっこしていい訳ないし、そもそもその理由がない。
すると、エレーナが予想を超えてグイグイきた。
「ユウト、オヒメサマダッコというのを説明して下さい、私の中で変に興味が湧いてます」
エレーナは時々変なものに興味を持つんだけど、今回はお姫様だっこに反応したみたいだ、それにしても今回は言葉で説明ってのは難しい、実践するほうが正確に伝わるはずだけど、さすがにそれはちょっと・・・。
「エレーナ、お姫様だっこっていうのは実践するのが一番だけど、エレーナにそれをするのは躊躇しちゃうんだよね・・・」
僕はエレーナの反応を見ながら、恐々説明するとエレーナの興味に火が付いたようで、さらに説明というか実践を要求してきました。
「実践するほうがイイなら、是非実践してみせて下さい」
エレーナが目を輝かせて言う。
そこまで言うならということで、
「じゃあエレーナ、実践するから協力してね」
「はい! 喜んで!」
エレーナがニコニコしながら協力すると返事をしてくれたので僕はおもむろにエレーナを抱きかかえた
「えっ? な、何をするのです?」
いきなり僕が両腕でエレーナの身体を抱きかかえたので、エレーナはひどく驚いたようだ、まぁそれは当然で、今エレーナは僕の腕に抱えられ僕と超密着状態なのだ。
「驚いたと思うけど、これがお姫様だっこっていうヤツなんだよ、人間界ではこうやって男子が軽々女の子を抱いてあげると、女子は頬を真っ赤にして恥ずかしがりながら、喜んでくれるらしいんだ、まぁ僕はだっこできる彼女がいなかったからやったことないんだけどね、エへへ」
そう言って抱きかかえられてるエレーナを見ると、エレーナも普通の女子のように頬を真っ赤にしていて、その姿はもうこの世のすべての美を凝縮したかのような半端ない破壊力で迫ってきた。
「うわっ! 可愛すぎて直視できんッ!」
とっさに僕はそう言って視線を空へ飛ばしていた。
顔を赤らめていたエレーナだったけど、ほんの数秒で気持ちが落ち着いてきたようで、
「ユウト、ユウトにこうされるとちょっと恥ずかしいですけど、普段ユウトとここまで密着できることはないので、なんとなく嬉しい気もします」
「えっ?! そうなの? いやぁ、実はその、僕もエレーナとこんなに密着できるなんて絶対ないと思ってたから、ちょっと嬉しいんだ、エへへ」
僕はエレーナを抱きかかえながら、内心この瞬間がずっと続いてくれないと本気で願っていた。
僕に抱きかかえられてるエレーナは、何ていうか、安心できる暖かさを持っていて、その温もりがすべての不安や恐怖といったネガティブな心を消し去ってくれるようだった。
そんな暖かさのエレーナを抱き抱えてる僕は不覚にも気が朦朧としてきてしまって、もうちょっとで眠りに落ちるところだ。
「ユウト? どうしました? もう下ろしてくれていいですよ、ユウト?」
「ハッ!? どうしたの? 僕寝てた?」
意識が消えかける瞬間、エレーナに声を掛けられ、ギリギリ意識が復活、危なくエレーナを抱いたまま倒れるところだった。
「ユウト、もしかして私のせいで意識が薄れたのではないですか?」
「いやぁ、そんなことは無いんだけど、なんていうか・・エレーナの暖かさが心地よくてついぃ・・・ごめんネ」
僕は自分の油断のせいで危なくエレーナにけがを負わせるところだったのを後悔した、こんなんじゃパーティの中心であるエレーナの信用を得られるわけない! もっとしっかりしないと!
今日のお話は文字数だいたい1500字、いつもよりちょっとだけ
多くなっちゃいました。
読んで下さってる皆様に嫌がれないか心配なんですけど、
どうかご容赦下さい、そして、次話もよろしくお願いします!!




