~フォクネの美少女~
~フォクネの美少女~
僕たちは部屋に荷物を下ろし、夕飯を食べるため夜の町に出た。
夜になると通り沿いの居酒屋風の店やレストランがその明かりでハッキリと存在を示してきた。
「けっこうたくさんの店があるね、アルは居酒屋がイイッ!」
アルは見た目に反して居酒屋が好きで、町で夕飯となると居酒屋を選ぶことが多い(日中は閉まってるので居酒屋は夜のみ)、こっちではアルのような未成年でも酒が飲めるんだ、当然僕も飲んでいいことになるんだけど、僕はまだ遠慮しておこうと思ってる。
居酒屋推しのアルがあたりの店を素早くチェック、その結果、宿近くのまぁまぁの規模の居酒屋で決定。
カタカタカタ・・(居酒屋の入口を開ける音)
「うわぁ~、結構賑わってるね」
「そうね、この町も酒好きが多いってことかしら、ウフ」
店に一歩入るとすぐにアルコールの香りが漂ってきた、っていうか店中アルコールの香りが充満してる感じ。
「うわっ、すごいアルコール臭!」
思わず声にでてしまった、しまったと思ったけど、それを聞いてアルもニヤッとして、
「わぁ~、めちゃアルコールくっさ~い! でもこうでなきゃ居酒屋じゃない!」
僕がアルコール臭に顔をしかめてるのとは対照的にアルはアルコールの匂いにニコニコしっぱなし、お酒好きにはこの香りがいいんだろうな・・・。
僕たちは店の隅の空いてるテーブルに腰を下ろしてメニューからそれぞれ好きなものを注文、しばらくすると料理が運ばれてきた。
「お待たせしました~、こちらご注文のお料理で~す、ごゆっくりどうぞ~」
料理を運んできたのはフォクネと呼ばれる狐族の若い女の子だった、ちょっと見にはアルとほぼ同じに見えるのでキャットピープルかと思っちゃうけど、しっぽの形と先端がキレイな白色なところがキャットピープルとの見分けるポイントみたい、まぁ顔つきもちょっと違うようで、鼻がアルよりスマートで整ってる感じ。
そんなフォクネの子を見てタミーが話しかけた。
「あら、珍しい、あなたフォクネね、私フォクネの女の子って顔がシュッとして美人さんが多いから好きよ、あなたもフォクネらしい美人さんね、ウフフ」
タミーがフォクネの娘を見たとたん、その娘をめちゃ褒めちぎりはじめた。
「エレーナ、タミーがあの狐族の娘に食いつてるけど、タミーって百合っぽいところがあったりするのかな?」
僕は無意識に百合って言っちゃってから「しまった!」と思ったけど、もう遅かった・・・。
「ユリ? それはなんですか?」
エレーナはユリとは何か聞き返してきた、まぁ当然の質問だとは思うんだけど、ユリってことをどう説明するか・・・いやぁ~困った! 自分のバカ! なんで百合なんて言っちゃったんだろう、しかもよりよってエレーナに言っちゃったよ。
「そう、え~と、百合っていうのは女子が女子を可愛いって思う気持ちかなぁ・・」
僕は背中がびしょびしょになりそうな冷や汗を感じながら、必死におかしな感じにならないよう注意しながら百合って言葉をエレーナに説明した、そしたらエレーナは特に変な受け取り方もせず。
「そういうことですか、それなら私やアルにもありますね、可愛い女の子は女性の私から見てもキレイで好きですよ、フフフ」
セ~フ! いやぁ~、エレーナが素直な女の子で良かった~、一部の同人誌であるような方向に行かないでマジホッとしたよ・・・
今話は前話が短かった分、長めにと思っていたんですけど、
ちょっとだけしか長くなりませんでした。
読んで下さってる皆様、ごめんなさい!!
でもどうか、見捨てずに読んでやって下さい、お願いします!!




