~ちょっとの油断・・~
~ちょっとの油断・・~
一夜が明け、翌朝・・・
僕はカーテン超しのやわらかい朝日に起こされた。
いつものことだけど、エレーナはとっくに起きて出かけたようで、ベッドにはいなかった、でもタミー、アルはまだ起きたばっかりみたいで、ベッドの上であくびをして、ボ~ッとしている。
「おはよう、タミー、アル」
僕がふたりにおはようと声をかけると、ふたりとも、ちょっと面倒くさそうに、
「おはよ~、ユウトは朝から元気ね」
「おはよ~ユウト、アルもうちょっと寝ていたよ~・・・」
まぁだいたいの女子って寝起きは超が付くくらい機嫌わるいよね・・・。
そういう僕も朝からテンション爆上げとはいかないけど、女子のようにあからさまに機嫌悪いアピールするほどじゃないかな。
「エレーナはどこ行ったのかな? タミー知ってる?」
すでに出かけたようなエレーナの行先はだいたい察しはついてるんだけど、一応聞いてみた。
「あぁ、エレーナなら昨日話してた、カオルの件とかで、支宮へ行ったんじゃないかしら? ねぇアル?」
「アル、寝てたから、わかんな~い」
今のアルはぜんぜん役に立たない子供そのもの。
「アルに聞いても無駄だったわね、フフ」
そこまで僕も寝起きだったせいか、薫のことがすっかり抜けていた。
「そうだ、薫! 薫はどこ行った?」
すると僕のベッドの傍の部屋の隅から。
「裕翔、私はここにいるわよ」
「あっ! そこにいたの薫! 良かった~、いなくなってたらどうしようと思ったよ」
そう言ったところで僕は、脇から刺さるような殺意のような視線を感じた。
「あっ! ヤバッ! やっちゃったかなぁ?・・・」
僕は今の薫を気にかけた言葉はちょっと不用意だったと後悔したけど、もう時間は戻ってくれない、さっきまで寝ぼけてたはずのアルなんかほっぺた膨らませて、プンプン状態で、
「もう! ユウトったら朝から薫ばっか! ちょっとはアルのことも気にしてよねぇ!」
「あぁ、ごめんごめんアル、別に薫を贔屓にしてる訳じゃないんだよ、アルのことだってしっかり気にしてるんだよ、ホントに・・・」
僕は慌ててアルに対して言い訳というか弁明というか、わけわからないことを言いまくって、とにかく機嫌を治してくれるよう気遣った。
「ホント~?」
「ホント、ホント、マジホントだよ、アル~」
「まぁいいや、じゃあエレーナが戻ってくる前に朝食にダイニングへ行こうね」
ギリギリアルの機嫌を取り戻すことができた、一応タミーも許してくれたっぽい。
「エレーナも早く戻て来るといいね、みんなで朝めしできるほうが楽しいし」
僕はヘラヘラ薄ら笑いをして、心にもないことをしゃべている、自分でもそんな自分自身が情けなく思てくる・・・。
まぁそれでも、エレーナが戻ってくる前に一件落着というか、終息したので一安心と安堵した。
それから僕たち3人は宿の1階にあるダイニングに移動して、朝食を取り始め、ちょうどそのときエレーナも戻ってきたので、4人みんなで朝食をとることができた・・
今話の投稿、ちょっと遅くなりました。
でも、なんとか日付が変わる前に更新できてよかった~^^
今話もよろしくお願いします!!




