~ごくろうさん会のあと~
~ごくろうさん会のあと~
まぁまぁ長い時間を店で過ごして、そろそろ宿へ戻ろとするころにはタミー、エレーナは酔ってイイ気分って感じ、タミーはいつものことだけど、エレーナがほろ酔いってのは意外で、僕は初めて見るエレーナの酔った姿で、頬がほんのりピンク色のエレーナ、これはこれで可愛いって思っちゃった。
宿に戻るとカオルがソファに横になって寝ていた。
「かお?!」
「あれっ、カオル寝てるの?」
僕が先頭、そのあとにアルと部屋に入ったので、薫が寝ているのを僕/アルの順で見つける形になった。
エレーナとタミーは酔ってはいたけど、僕とアルの様子から察してくれたようで、4人とも薫を起こさないよう静かに部屋に入った。
「ずっと待っていてくれたのですね、カオルには可哀そうなことをしてしまいましたね、明日はカオルも私たちと食事ができるようにできないか支宮へ聞いてみましょう」
「えっ! それってカオルに身体が戻るってことだよね?」
「えぇ、本当なら支宮のほうから言ってくるまで待つものなのですが、カオルの姿を見てると早く身体を持たせてあげたいと思えてきましたので、私から働きかけてみます」
エレーナが薫のことを想って、早く身体を貰えるよう頼んでくれると言ってくれた、いずれ薫に身体を戻してあげたいと思ってはいたんだけど、まさかこんなに早くそれが叶うかもしれないなんて!
「ありがとう、エレーナ! お願いしますっ!」
僕は思わず大声でエレーナにありがとうって言っちゃったもんだから、そのせいで寝ていた薫を起こしてしまった
「あれ? 裕翔、皆さん、戻ってたのね。ごめんなさい、私寝ちゃってたみたい」
そう言って薫はソファから身体を起こした。
目を覚ました薫に向かって、僕はエレーナが言ったことをそのまま伝えた。
「ほ、ほんとなの? 私に身体が戻るの?」
するとエレーナが、薫にむかって、
「必ずとまでは言い切れませんけど、明日、私が支宮で上の者へ上申してみようと思っています、その結果次第でカオルさんへ身体を戻してあげられるかもしれません」
正確に言えば、ここは異世界なので、身体が戻るといっても、人間界にいた時に似せた身体、あるいは自分の望んだ姿かたちの身体を持てるということになるんだろう、僕自身の身体もそういった意味では僕の身体ではない。
と言っても、今の薫の状態に比べれば、仮とは言っても身体を持てるということのメリットは大きいし、なにより僕にとってリアルな薫に触れたりできるのはめちゃウレシイ!
そこまでエレーナが話すと、ずっと静かに聞いていたタミー、アルが口をはさんできた。
「カオルが身体を持っちゃうと、ユウトが私に興味無くなっちゃうんじゃない? それってアルやだなぁ、いやっ、絶対ダメ! だからカオルに身体をあげるの絶対反対だよっ!」
「私も素直に喜べないわ、ユウトの取り合いになっちゃうのは目に見えてるし、元々の恋人っぽいカオルが相手じゃ勝てないわよ」
二人とも僕をすでに彼氏にしてるかのようなことを言って、アルなんかはあからさまに怒っちゃってる。
「ちょっ、ちょっと待ってよ二人ともッ! 薫が身体を得られても、それと僕と薫が恋人かどうかって関係ないでしょう? だいたい、僕と薫は友達だったけど・・その・・キスだって・・したこと・・・無かったし・・」
それを聞いていたエレーナ、タミー、アルは一瞬間が開いて。
「うっそ~っ!? それホント? キスもしてないなんて、恋人どころか、まったくなんでも無いってことだよね! キャハッハッ!」
「そうなんだぁ、だったらまだ私たちにもユウトの恋人になれるチャンスは十分にあるってことよね? なら俄然やる気出てきたわ、ぜったいユウトを私のものにしちゃうわよ、ウフ」
そう言いながらタミーは横目で僕を見つめてきた、その視線が怖いくらい熱いのがハッキリ判った。
「ヤバイ、僕タミーに食われちゃうかも・・・」
「そうね、私ユウト食べちゃいたいわぁ、骨の髄まで全部ね」
「怖っ!」
タミーとアルはその後も薫の身体のことで、不満とも不安とも取れることをずっとエレーナと僕にぶつけている。
薫に身体が戻るのは嬉しい、でもそのことで二人が不機嫌になっちゃうのも、僕としては困りもの、どうすればいいのか、女子の扱いに慣れてない僕としては板ばさみ的重い立場になっちゃってる。
いろいろ二人は不満をエレーナと僕にぶちまけまくっていたけど、エレーナの「そろそろ就寝しましょう」という一言で、一応この場は収まった・・・
今日で22日連続投稿です、
上手くもない文章ですけど、22日も休みなく投稿できるなんて
わたし自身が驚いてます!!^^
これも、いつも読んで下さってる皆様のお陰です、
ありがとうございます!!
これからも、よろしくお願いします!!!




