~デカムカデの攻撃(4)~
~デカムカデの攻撃(4)~
残るデカムカデは1体のみ。
しかし、気のせいかもだけど、このデカムカデ、サーベルブラストの一撃で倒せたし、三体に分離したあとのほうが圧倒的に弱い?
まぁそのほうがこっちには好都合だし、勝機もあるはず!
「薫! エレーナのほうの残りも僕たちで倒そう!」
そう思った僕は薫にエレーナのほうの残り一体を倒しに行こうと言っていた。
僕としては珍しく前のめり気味に積極性を出した言葉と心の中で「今の僕って超カッコイイかも?」って自画自賛しちゃった^^。
薫は僕の指示通りエレーナとタミーのほうへ僕とアルを運んでくれた。
エレーナとタミーはデカムカデの残り一体をなかなか倒せないで苦戦してるようだった。
「あれ? なんでエレーナたちは、残りの一体にあんなに苦戦してるんだ?」
僕にはデカムカデはサーベルブラストの一撃で倒せたことを考えるとそれほど強くないように見えてるんだけど、その弱いはずのデカムカデの残りごときにエレーナが苦闘するってことは、ちょっと考えられないことに思えてる。
「エレーナ! タミー! 僕たちも加わるよッ!」
「ユウトッ!」
薫に言って、僕とアルは地上に下りた。
薫に地上におろしてもらった僕とアルにデカムカデはすぐに反応し、エレーナ達への攻撃姿勢を反転、地上に下りた僕とアルへ向かってきた。
僕は呼吸を整えて、サーベルブラストへ神経を集中させる。
すぅ~はぁ~(呼吸の音)
僕はカッと目を見開き、向かってくるデカムカデの残りに手にしてる剣を上段から全力で振り下ろした
「サーベルブラストッ!!」
僕の振り下ろした剣の切っ先が作った円弧からサーベルブラストの閃光が数弾デカムカデに放たれた。
バッバッバッバッバッバッ!(サーベルブラストの連射音)
直後サーベルブラストの閃光が向かってくるデカムカデの頭に正確にヒット!
ズバァバ~ン!!(サーベルブラストがデカムカデにヒットした音)
轟音と眩い閃光が辺りを包むと、直後には爆煙までもがもうもうと上がって状況がつかめない危険な状態になった。
「デカムカデが見えない、倒したか?」
と考えると同時に、この状況はマズいと思って、僕はアルに。
「アルっ! この状況は危険だッ! ちょっと後退したほうがイイ」
相手が見えないのは、視覚的な恐怖感は無くなっていいんだけど、相手が健在な場合、その動きも読めない危険な状態ってことでもあり、この場にいるのは危険なのだ。
僕の後退の判断にアルも素直にしたがって、数メートルほど後ろへ退いた。
少しして、風が爆煙を流してくれて、デカムカデがいたあたりがクリアになってきた。
同時にデカムカデの姿が見えるようにもなってきた。
「デカムカデは?」
僕の邪魂センサーは何も感じとれない、とは言っても相手は邪魂、油断は禁物。
「やっつけたんじゃない?」
アルが動きの無い様子にシビレを切らし、ボソッと言葉を発した時!
グッグッグッ!
デカムカデの腕?の一本がほんの少しだけ動いてるのが見てとれた。
「まだ、生きてる!」
僕のまだ生きてるという言葉にアル、そして少し離れた場所のエレーナ/タミーも
それぞれの武器をかざし身構えた。
しかし、そのあとはデカムカデの動きは次第に弱々しくなり、ついにはピクリともしなくなった。
その状況を見ていたエレーナが、すたすたとデカムカデに近づいて、その頭頂部に手をかざし詠唱を始めた。
‘&)’&=%0’0))&%$00=((‘JO’ (エレーナの詠唱 文字化不能)
「エレーナ危険だよッ!」
アルが危険と言うのも気にも留めないといった感じで詠唱を続けるエレーナ。
するとデカムカデは全体が光はじめ、少しづつ光の粒子になって空中に浮き上がり、どこへともなく空間に吸い込まれるように消えていった。
「終わったのかな?・・・」
僕がつぶやくように言うと、それに呼応するようにアル、タミーも、
「アルたち勝ったんだよね?」
「勝ったみたいよ、私たち・・」
「終わりました、もう邪魂は冥府に送りましたから、安心してください」
タミーのこの言葉でやっとみんなが勝ったことを実感でき、続くエレーナの言葉でホッとできたようだった。
今回の邪魂、始めはかなり手強い相手に思えていたけど、三体に分離したことで、その強さに陰りみたいなものが現れ、結果としてそれが僕たち側に有利に働いてくれた、見方によっては運が良かったとも取れるけど、こういったときはすべてイイ方向に捉えたほうが吉ってことだから、今回も運も実力のうちって思うことにした・・・
やっとデカムカデとの戦いを終わりにすることができました。
いつも読んで下さってる皆様、4回にわたったデカムカデとの
戦いのお話にお付き合い頂き、ありがとうございます。
次話からはまたお話を進めていきますので、
よろしくお願いします!!
それと、昨日はたくさんのアクセスを頂きました、
感謝です! ありがとうございます!!!




